Sheet now

「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応

BREVIS-AJ導入で加工量が増加

有限会社 アイチ技研

LINEで送る
Pocket

画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応2021年9月にLC-1212αⅢNTとの入れ替えで導入した同社初のファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ(3kW)

一番の売りは「何があっても絶対に断らないこと」

画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応愛智繁社長(左)と愛智風華さん(右)

㈲アイチ技研愛智繁社長は、自社の一番の売りは「何があっても絶対に断らないこと」と明言する。

「お客さま第一」や「顧客満足度向上」などを自社のモットーとしてかかげる企業は多い。そんな中、同社のすごいところは本当に文字どおり“絶対に”断らないことだ。自社でできるものは自社で対応し、設備などの関係で対応が難しいものは協力会社に依頼することで顧客からの要望に応える。そうして得た信頼と人脈により、個人規模の小さな企業から大手企業まで数多くの取引実績がある。

それを可能にしているのが愛智社長の人柄とこれまで培ってきた経験、そして社員たちの技術力だ。現在57歳の愛智社長は設計、製缶加工、鉄骨加工、機械加工、旋盤加工、フライス加工、商社営業、板金加工と幅広い職歴と知識を持っている。また、気さくで親しみやすい性格で、社員や得意先からも慕われている。同社で働く社員の多くは現場経験者で、以前仕事をともにした得意先の元社員や、知人からの紹介を受けて「アイチ技研で働きたい」と集まってきたという。それぞれがそれぞれの現場で培った技術が集結し、顧客のニーズに確実に応えるプロフェッショナル集団となっている。

得意先からの助言が転機につながった

同社は1997年に愛智社長が創業した。最初はたったひとり、溶接加工のみでのスタートだった。当時は製茶機や階段手すりなどの製缶を手がけていたが、補助金の見直しなどの影響で製茶機の仕事が減少した。今後どうしようか悩んでいたときに仲の良かった得意先の部長から「これからはレーザの時代だよ」と助言を受けた。当時、静岡県内ではまだレーザマシンを導入している企業は少なく、レーザマシンを所有している企業に仕事が集中していた。そこで、2002年に思い切ってレーザマシンFO-2412NTを導入した。これが同社の転機となった。

導入から1年後には切板関係の仕事が増加し、軌道に乗った。レーザマシン1台では加工が間に合わなくなったため、2004年にレーザマシンLC-1212αⅢNTを導入し、レーザマシン2台体制となった。

  • 画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応AMNC3iで端材切断をプログラムに組み込む
  • 画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応ベンディングマシンHD-8025NTによる曲げ加工

機械加工と板金加工による複合加工が強み

そんな折、主要得意先の1社が倒産した。売掛金の金額が多かったので、経営にも大きな影響があった。しかし、レーザマシンを所有していたこともあって、最終的には倒産した会社の仕事が同社に直接発注されるようになった。

2017年にはFOとの入れ替えでFO-MⅡ 3015NTを導入した。2018年5月には仕事量が増えて手狭になったため、現在の静岡市清水区に工場を建設・移転した。また、工場移転と時期を合わせ、立形マシニングセンタと門形マシニングセンタ、NC旋盤を導入して機械加工分野を強化、協力会社頼みだった機械加工を内製化した。

「断らずに何でも引き受けてしまうので、機械加工設備がない板金工場なのに、板金加工と機械加工の複合加工で対応する仕事が増えていました。下手をすると機械加工の売上の方が多いときもありました。協力会社への支払いや納期管理が大変なので、だったら自社で加工した方が良いということになりました。レーザと機械加工を組み合わせれば単価を安くでき、納期も自分たちで決めることができます」。

「結果的にこれが正解でした。当社が得意とする機械加工と板金加工による複合加工は、お客さまに高くご評価いただいています。当社のような小さい会社は特徴を出し、他社と差別化をしていかないと生き残っていけません」(愛智社長)。

  • 画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応アルミ素材を使った製品をファイバーレーザ溶接機FLW-300MTで溶接する
  • 画像:「何があっても絶対に断らない」 ― 技術を駆使し、顧客ニーズに対応立形マシニングセンタやNC旋盤なども設備し、板金加工と機械加工による複合加工を強みとしている

会社情報

会社名
有限会社 アイチ技研
代表取締役
愛智 繁
所在地
静岡県静岡市清水区北脇306-1
電話
054-349-6888
設立
1997年
従業員数
15名
主要業務
製缶加工、レーザ加工、設計(機械部品・空気輸送装置)施工、産業用部品販売
URL
http://josyo316.html.xdomain.jp/

つづきは本誌2022年3月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから