テーマは「柔軟性と多様性」
“手のかかるモノづくり”で建機・農機部品に対応
株式会社 アッセンブリー・プラント・グローリー
大型建機部品の溶接作業
“手のかかるモノづくり”に対応
代表取締役社長の臂(ひじ)友幸氏
㈱アッセンブリー・プラント・グローリーは、建設機械・農業機械の部品加工を主に手がける部品加工メーカー。板厚36㎜までの厚板加工、高品位な厚板溶接、変種変量生産を得意とし、“手のかかるモノづくり”にフレキシブルに対応することで得意先の信頼を勝ち取ってきた。
1992年の創業で、昨年25周年を迎えた。2000年代の世界的な建機需要の増加にともない、2007年には創業15年目で年商10億円を達成。事業拡大を目指して、溶接組立と物流受託を行う茨城工場を開設した。しかし2008年のリーマンショックで受注環境が一変、同社の仕事量も大幅に減少した。2カ所に分散した生産拠点の維持管理コストが経営を圧迫するなかで、約10年間、堪え忍んだ。
紆余曲折を経て、2017年に茨城工場を閉鎖。建機業界全体が本格的な回復局面に入ってきたことで、2018年6月の決算では増収増益の見込み。年商10億円の大台を超え、リーマンショック前のピークだった2007年を上回りそうだ。
24時間稼働するパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT
曲げ工程のHDS-1303NT
建機・農機・その他が1/3ずつ
現在の売上構成は、建設機械部品、農業機械部品、その他(建材など)が1/3ずつとなっている。
建設機械は、ホイールローダー・油圧ショベル・ダンプトラックなどのカバー・フェンダー・ボックス・ブラケット類の加工とサブアセンブリーを手がける。1部品あたり平均40~80点の板金部品で構成され、溶接ロボットや半自動溶接機で溶接組立まで行い、建機メーカーや1次サプライヤーへ納入している。
最近はほかの建機メーカーから、道路舗装工事に用いられる道路機械の仕事も受注。老朽化した交通インフラを整備する必要性が増していることから、受注量は右肩上がりで伸びている。
臂(ひじ)友幸社長は「得意先がちがっても、一般土木工事に用いられる建設機械の仕事だけでは、リスクが大きい。同じ建設機械でも、異なるカテゴリーの機種の仕事を手がけていくようにしたいと考えています」と語っている。
農業機械の仕事は、創業当時から大手農機メーカーの2次下請けとして受注していたが、2010年ころに得意先の1次サプライヤーが撤退したことで、メーカーとの直接取引が始まった。手がける製品は、コンバインやトラクターなどのキャビン下に設置されるデッキ、クッションフレーム、マフラコンプなどで、カバーだけでなく機構部品が多い。
農業機械は、国内では大規模農業法人の増加、海外では機械化農業の普及などを背景に、大型化が進んでいる。それにともなって加工設備に求められる能力が変わってくるため、農業機械だけを手がけてきたサプライヤーは対応できないケースも出てきている。しかし、もともと建設機械の大型部品を手がけている同社の場合は苦もなく対応、農機メーカーの信頼を得てきている。
溶接完了後の大型建機部品
木材チップ用のバケット
会社情報
- 会社名
- 株式会社 アッセンブリー・プラント・グローリー
- 代表取締役社長
- 臂 友幸
- 住所
- 群馬県伊勢崎市飯島町542-2
- 電話
- 0270-31-5001
- 設立
- 1997年(1992年創業)
- 従業員数
- 46名
- 主要製品
- 農業機械・建設機械・発電機などの部品、介護機器、モニュメント、サインなど
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