安全・安心・高効率な洗浄ソリューション活用事例
「ものづくりの“風景”を変えたい」 ― シート洗浄機の導入で洗浄工程を変革
協働ロボット自動化システムを内製 ― 少数精鋭の多品種少量生産でも自動化推進
株式会社 有川製作所
「小人の部屋プロジェクト」で内製したプレス加工の自動化システム。単発プレスに協働ロボット2台などを組み合わせ、ワークの搬入・搬出を自動化した
多品種少量生産と工法転換に強み ― 繊維機械部品・実装機部品などを手がける
左から有川富貴社長、製造部の眞沼夕輔さん、髙橋辰治ゼネラルマネージャー
石川県に拠点を置く㈱有川製作所は、創業65年以上の歴史を持つ精密プレス加工と金型設計製作の専門企業。繊維機械や電子部品実装機などの大手顧客へ向け、機械加工に匹敵する高精度・高品質のプレス部品を供給している。
売上構成は、繊維機械部品が50%強、実装機部品が20%、自動ドア部品が5%で、主要顧客4社で売上全体の約80%を占める。産業用の機械装置向け部品が中心のためプレス部品としては受注ロットサイズが小さく、200~1,000個の多品種少量生産や、機械加工からプレス加工への工法転換技術に強みを持つ。
2016年以降はサーボプレスへの更新を積極的に進め、得意とする高精度・複雑成形・安定加工への対応力を高めてきた。2020年には恒温室を備えた金型工場を新設するなど、金型部門の人材・設備も増強し、モーション制御や加工再現性を特徴とするサーボプレスとのシナジー創出も目指す。
近年は、有川富貴社長が旗振り役となって、協働ロボットやRPA・IoT・AIなどの最先端技術を貪欲に採用。ものづくりプロセスの改善・改革のみならず、「工場の風景」「企業の文化」(有川社長)を根本から変革させる取り組みを強力に推し進めている。
左:プレス工程には2016年以降に増強してきたサーボプレスが並ぶ。多品種少量生産を得意とし、順送仕様を単発で使用することも多い/右:金型工場に設置された高精度門形マシニングセンタ
協働ロボットを活用した自動化の取り組み ― 「工場の風景」「企業の文化」を変革
「変革」の象徴となっているのが、協働ロボットを活用した自動化の取り組み「小人の部屋プロジェクト」だ。同社は2020年頃から自動化に取り組み始め、協働ロボット「TMシリーズ」を展開するオムロン、技術商社の山崎電機(石川県金沢市)とともに同プロジェクトを立ち上げた。
そもそものきっかけは、工場見学に訪れた女子大生の「まだ手でつくってるんですか?」という一言だったという。
有川社長は「手でものをつくるのが当たり前という私たちの常識は、若者にとって非常識なのだと気づかされました。競争力と付加価値の源泉である手作業が大切なのは言うまでもありません。それならなおさら、ロボットなどの活用により単純作業を自動化し、人がより付加価値の高い仕事にエネルギーを投じられる魅力的な工場にしていかなければと考えるようになりました」と振り返る。
最も注目すべきポイントは、従業員数30名の規模でありながら、多品種少量の生産形態に対応する自動化システムを「内製」により実現していることだ。
単発プレスだと1日20回ちかく段取り替えが発生する同社の製造現場で、大量生産と同じようにロボットを専用機として使用するのは現実的ではない。加工品目を追加したり、トラブルが発生したりするたびに外部のSIerを頼っていては時間もコストもかかりすぎる。そのため有川社長は、プロジェクトの立ち上げ当初から「内製」にこだわった。
ロボットの知見を持つ人材は皆無だったが、専任担当者を配置し、ロボットプログラミング、PLC、メカ設計、画像処理技術などをゼロから学んだ。足りないところは、オムロンや山崎電機から技術支援を受け、ノウハウを蓄えた。
現在、同社の工場では「TMシリーズ」を中心に7台の協働ロボットが稼働している。単発プレス機やタップ加工用の小型マシニングセンタと協働ロボットを組み合わせ、ワークの搬入・搬出を自動化したほか、ビジョンシステムやカメラ・センサーと協働ロボットを組み合わせた全数外観検査の自動化システムも構築した。
2023年6月には自動化システムを配置したエリアを展示場として開放し、これまでに600人以上が見学に訪れた。自動化システムを披露するとともに、見学者から直接フィードバックを受け取り、さらなる改善につなげている。
自動化の取り組みは、生産性向上・省力化・品質安定化のほかにも、有形・無形のさまざまな効果をもたらした。4年間で8名の新規採用につながり、会社の将来への期待から、既存社員のモチベーションやエンゲージメントも向上した。自動化・スキルレス化により受注変動への対応力が高まり、新規顧客からの引合いも増加。顧客との関係性も、「下請け」から「パートナー」へと変質しつつある。
2025年6月に導入したSAIWシートメタル洗浄機。実装機部品の洗浄工程のスキルレス化と品質安定化、大幅な時短を実現した
会社情報
- 会社名
- 株式会社 有川製作所
- 代表取締役
- 有川 富貴
- 所在地
- 石川県河北郡津幡町旭山7(旭山工場)
- 電話
- 076-288-4710(旭山工場)
- 設立
- 1960年
- 従業員数
- 30名
- 主要事業
- 産業機械部品・繊維機械部品・実装機部品・工作機械部品の金属プレス金型設計製作、金属プレス加工
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