「ものづくりワールド 東京 2024」開催
ワンストップ・独自技術を強みに新規開拓に挑む
中小製造業向けDXソリューションも多数出展 ― 板金加工企業発のECサービスも
約2,000社が出展、約7万人が来場
「第36回 ものづくりワールド 東京 2024」が6月19日から21日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。主催はRX Japan。同展は「設計・製造ソリューション展」「機械要素技術展」「製造業DX展」など、10の専門展で構成されている。全体の出展者数は前回比7.1%増の1,978社・団体。会期中の来場者数は同4.2%増の6万9,717名だった。
板金加工企業は「機械要素技術展」を中心に出展。建築関連・建設機械・工作機械のサプライヤーを筆頭に、大半の出展者が「業況は良くない」「今は我慢の時期」としながらも、新規開拓へ向けて自社の強みをアピールした。
また、「設計・製造ソリューション展」や「ものづくりAI/IoT展」、前回創設された「製造業DX展」を中心に、中小製造業を対象にしたDXソリューションの提案も目立った。
板金加工企業2社が独自のECサービスを提案
今回は板金加工企業2社が独自のECサービスを提案した。
フジムラ製作所(埼玉県)は、精密板金加工専用の「2D CADデータ自動見積りサービス」を参考出展した。数量1個からの切断・抜き・曲げに対応する小ロット生産対応サービスで、利用者が専用フォームに必要な情報を入力し、図面データ(DXF・DWG)をアップロードすると、内容確認後、システムが図面の自動解析と自動見積りを行う。見積りに要する時間は最短5分。見積り内容を確認後、オーダーすると3営業日で発送する。
毛戸製作所(京都府)は、レーザカット板金オンラインツール「KeDDii ALPHA」を提案した。レーザ切断に特化することで完全自動処理により24時間・365日、即時見積り・発注が可能。アカウント登録後、DXFデータをアップロードし、材質・板厚・数量・仕上げ方法を選択すると、即座に見積り金額が提示される。仕上げは表・裏それぞれに対して「手仕上げ」「機械仕上げ」「なし」の組み合わせをメニュー化。注文確定後は、最短期日で加工・出荷する。
中小製造業向けDXソリューションも多数出展
中小製造業向けDXソリューションとしては、類似図面検索やAI見積りの提案が多かった。
REVOXは、機械加工・板金加工などに対応するAI見積り・類似図面検索システムシステム「SellBOT」を出展した。AIを活用した4つの機能が特徴で、「AI見積り」は、過去の実績とサイズ・数量から見積り金額を自動計算する「レスポンス重視型」と、過去の類似図面の実績をコピー・編集して見積り作成を効率化する「工程重視型」を選択できる。
テクノアは、部品加工業向け生産管理システム「TECHS-BK」や「AI類似図面検索」を提案。「TECHS-BK」はクラウドにも対応する。「AI類似図面検索」はAIが図面(2D)内の検索対象範囲や形状を判断し、大量の図面データの中から類似図面を見つけ出し、類似度順にリストアップする。過去の見積り金額・材料費・加工費・担当者なども参照でき、見積り作業の負担を軽減し、見積りの精度を向上する。
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