特集

複合マシンと自動倉庫の連携による自動化ソリューション活用事例

ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現

市場拡大が続く半導体製造装置向け大型筐体の増産に対応

太洋工業 株式会社

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画像:ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現新工場棟(A棟)に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2515T-AJ(右)と自動倉庫MARS(左、12段14列)。奥にはファイバーレーザマシンVENTIS-3015AJ(4kW)が設置され、ブランク加工マシン2台がMARSと接続している

大型自動倉庫にブランク加工マシン2台を接続 ― 複合マシン1台増設で、生産能力は5倍に

画像:ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現三村泰洋社長(左)と製造部の生方富士夫部長(右)

茨城県日立市の太洋工業㈱は2023年9月、敷地内に建設した新工場棟の本格稼働を開始した。

新設した「A棟」は建築面積1,809㎡で、これにより全体の工場建築面積は約25%拡大した。A棟にはファイバーレーザ複合マシンACIES-2515T-AJと、ファイバーレーザマシンVENTIS-3015AJ(4kW)を導入し、自動倉庫MARS-3015N(12段14列)と接続。窒素ガス発生装置PSA10002HTも2基導入した。10~20年前に導入したブランク加工マシン3台との入れ替えで、ピーク時は6台を数えたブランク加工マシンを2台に集約した。

これによりブランク工程の生産能力は最大で約3倍に向上した。主力製品である半導体製造装置向け大型筐体の受注が右肩上がりで推移する中、顧客の増産要請に応えるため、ボトルネックとなっていたブランク工程を刷新した。

さらに、2026年夏にはACIES-2515T-AJe(6段2列・TK仕様)を追加導入し、半導体製造装置部品の専用機としてフル稼働させる予定だ。これによりブランク工程の生産能力は、A棟開設前の5倍程度まで引き上げられる。

三村泰洋社長は「半導体製造装置の市場は、極端なアップダウンを繰り返す従来の『シリコンサイクル』から、AI需要にけん引される右肩上がりの『スーパーサイクル』へと移行し、今後も成長が見込まれます。お客さまからはさらなる増産を求められており、ご要望にいかにしてお応えするかが当面の最重要テーマです」と語っている。

画像:ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現左:2023年9月に開設した新工場棟(A棟)。建築面積1,809㎡で、同社の工場面積は25%拡大した/右:MARSと連動するファイバーレーザマシンVENTIS-3015AJ(4kW)。テイクアウトローダー(TK-3015L)を備え、製品・残材の仕分けを自動化

半導体製造装置部品の増産対応で成長軌道へ

1941年に創業した太洋工業は、「ものづくりの街」茨城県日立市で80年超にわたり地域産業を支えてきた老舗企業だ。現在は、各種鋼材の加工・販売を手がける相鐵㈱(茨城県日立市)を中心とした相鐵グループの一員として板金加工と溶接組立の機能を担い、急成長を遂げている。

同社は現在、「板金加工事業部」と「回転保管庫事業部」の両輪体制で事業を展開している。

「板金加工事業部」の事業内容は、ここ6年ほどで大きく様変わりした。それ以前は大手電機メーカー向けの情報通信機器部品を主力製品としてきたが、現在は大手半導体製造装置メーカー向けの筐体・部品が売上全体の約60%、次いで大手医療機器メーカー向けの装置部品等が約20%を占めている。残りの20%は情報通信機器部品や印刷機器部品、相鐵グループ経由で受注する各種案件となっており、いずれも増加傾向にある。

「回転保管庫事業部」では、回転式立体駐車場の要領で各種アイテムを回転・収納する「電動式回転保管庫」(スマートストレージ)を開発・製造している。収納アイテムは産業用の各種部品や食器など。中でも半導体製造プロセスで用いられるレチクルを保管する専用ストッカーは、ニッチな分野ではあるものの高いシェアと競争力をほこり、半導体市場の急拡大にともなって成長が期待されている。

太洋工業単体の売上高は、直近5年で約2倍に増加した。今後は半導体製造装置部品の増産対応に加え、自社製品である回転保管庫の販売強化、相鐵グループのシナジー創出によって、さらなる飛躍へつなげていこうとしている。

ウエハー上に回路パターンを焼き付けるための原版(フォトマスクの一種)

  • 画像:ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現曲げ工程には10台以上のベンディングマシンが並ぶ
  • 画像:ブランク工程刷新で生産能力を大幅増強 ― 段取りレスで長時間連続運転を実現多軸ロボット2台と回転ステージを備えた独自仕様のロボット溶接システム。半導体製造装置向け大型筐体の溶接作業の自動化・品質安定化に貢献した

会社情報

会社名
太洋工業 株式会社
代表取締役社長
三村 泰洋
所在地
茨城県日立市森山町5-8-8
電話
0294-52-2255
設立
1947年(1941年創業)
従業員数
90名
主要事業
半導体製造装置部品・医療機器部品などの板金加工・溶接組立/電動式回転保管庫の開発・製造・販売・保守
URL
https://taiyokogyo.tech/

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