特集

複合マシンと自動倉庫の連携による自動化ソリューション活用事例

積極的な機械化で変化対応力を強化 ― ブランクマシン2台とMARSで省力化実現

「温故知新」を経営理念にかかげ、さまざまな塑性加工技術に挑戦

株式会社 長崎プレス工業

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画像:積極的な機械化で変化対応力を強化 ― ブランクマシン2台とMARSで省力化実現ファイバーレーザ複合マシンEML-2512AJ-PDCと、ファイバーレーザマシンVENTIS-3015AJeに接続した自動倉庫MARS-2512N(12段14列)

塑性加工法を用いた製品の製造に強み

画像:積極的な機械化で変化対応力を強化 ― ブランクマシン2台とMARSで省力化実現左から長﨑祐太専務、長﨑博孝社長

「温故知新」を経営理念にかかげる㈱長崎プレス工業は、深絞り加工、ヘラ絞り加工、ダイレスフォーミング加工であるインクリメンタル加工、そして精密板金加工と、従来から伝わる塑性加工法を用いた製品の製造に強みを持っている。

「当社は塑性加工の技術を磨き、『さらに良い製品にするにはどうしたらいいのだろう』と自問自答し、ものづくりに挑んでいく。その繰り返しにより、過去にはない『新しい創造』を生み出す努力を重ねてきました。現在は塑性加工を中心とした多角的な事業を展開し、金型製作からアセンブリー、試作から量産までの一貫生産を行っています。最近では、設計段階からお客さまに協力し、アセンブリー品を数多く受注・納品するに至っています。今後はこの取り組みをさらに発展させ、お客さまの製品開発・製造に貢献し、お客さま価値向上に貢献していきたい」(長﨑博孝社長)という。

オイルフィルター部品の深絞り加工から始まる

同社は1959年に長﨑孝雄氏が東京都大田区で㈲長崎プレス製作所として設立、トラック関連を中心にオイルフィルターなど、深絞り加工によるプレス部品加工を行った。その後、1989年に茨城県常陸大宮市の「常陸大宮工業団地」に移転、株式改組して㈱長崎プレス工業となった。

2000年に金属板を押さえ具で固定して回転させながら、ローラー(またはヘラ)を金型に押し当てて塑性変形させ、徐々に金型形状へと成形する「ヘラ絞り加工」に対応するため、NC制御のスピニングマシンを導入した。さらに、2011年にはインクリメンタル(逐次成形)加工に取り組むようになった。

事業発展にともない、2012年に同団地から撤退した大手企業の工場を土地・建物ごと購入。本社工場の建屋はそのまま活用し、本社工場・事務所機能を移転し生産能力を増強した。

さまざまな塑性加工技術に挑戦する企業努力が評価され、2016年には「第32回素形材産業技術賞 中小企業庁長官賞」を受賞。2017年に長﨑博孝氏が2代目社長に就任した。

画像:積極的な機械化で変化対応力を強化 ― ブランクマシン2台とMARSで省力化実現左:自動倉庫MARS-2512Nと連携するファイバーレーザ複合マシンEML-2512AJ-PDC+LA-2512NTK+SR-2512NTK/右:自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCによる曲げ加工

ヘラ絞り加工・インクリメンタル成形に取り組む

2000年にスピニングマシンをNC付きで導入した。回転させた金属板に「へら」と呼ばれる棒やローラーを押し当てて、少しずつ金型に沿って変形させるヘラ絞り加工は、作業者がヘラで押し付ける力によって加工状態が変わり、品質にバラつきが生じやすいので、安定した加工を行うためにはNC化が必要と考えた。

2011年に導入したダイレスフォーミングマシンは金型を使わずに、NC制御された棒状の工具を金属の薄板に少しずつ押し当てて3次元形状を逐次成形(インクリメンタル加工)する。専用金型が不要なため、自動車業界ではトヨタ、日産自動車などが自動車ボディの試作や少量生産に活用しており、大幅なコスト削減と納期短縮を実現している。

「NCのインクリメンタル成形の加工技術が掲載されている雑誌を偶然見て、メーカーに問い合わせたのがきっかけです。同型マシンは国内でも10台以下しか稼働していないと聞いており、特徴があります。建設機械メーカーから大型建設機械部品の世界初の加工にトライしたいと要望があり、最初は断ったのですが、失敗ありきで挑戦することになりました。ところが試作は無事に成功し、それ以来、マイニング向けなどの大型ダンプや建設機械部品の加工を継続受注しています。リピート受注ですが、ロットは多くても数十個の多品種少量生産です」(長﨑社長)。

画像:積極的な機械化で変化対応力を強化 ― ブランクマシン2台とMARSで省力化実現左:NCで制御されるインクリメンタル加工の様子/右:医療機器のボックス製品

会社情報

会社名
株式会社 長崎プレス工業
代表取締役
長﨑 博孝
所在地
茨城県常陸大宮市工業団地644-2
電話
0295-52-3918
設立
1959年
従業員数
50名(役員含む)
主要事業
各種金属加工(プレス深絞り逐次成形加工、スピニング加工、精密板金加工)を主に金型製作やアセンブリなど、試作から量産までの一貫加工
URL
https://www.nagasaki-press.co.jp/

つづきは本誌2026年8月号でご購読下さい。

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