Sheet now

「スピードと品質」を信条に事業を発展

上流工程から3次元化を推進し、ものづくり改革を進める

株式会社 水野工業所

LINEで送る
Pocket

画像:「スピードと品質」を信条に事業を発展①ベンディングマシンHG-1303/②VPSS 3i BENDによる曲げ加工シミュレーション

エレベーターの改修工事事業を行う

画像:「スピードと品質」を信条に事業を発展左から製造部の早田明弘さん、水野浩充社長、武田富夫製造部長

㈱水野工業所は、兵庫県伊丹市で、昇降機のリニューアル・改修事業と部品製造事業を展開している。

同社は1962年に兵庫県尼崎市内で製缶・鉄骨建築金物類を製造する会社として創業した。1973年には鋼構造物工事業の許可を取得し、1978年から外資系昇降機メーカーとの取引を開始、エレベーターの改修工事事業を始めた。

エレベーターは、経年劣化や摩耗などによりリニューアル・改修工事が必須である。税務上の法定償却耐用年数は17年で、国土交通省の「マンションの長期修繕計画のガイドライン」では15年目で改修、30年目で交換という目安が出ている。昇降機メーカーが公表している耐用年数は20~25年が一般的で、新設のエレベーター需要とは別に、リニューアル・改修工事の需要も多い。

改修工事は、①巻き上げモーター・制御盤などの制御系パーツ・部品を中心に交換・改修する、②既存エレベーターのうち、建物各階に固定される「三方枠」「敷居」などの一部を残して新しいエレベーターに交換する、③既存エレベーターをすべて撤去し、新エレベーターに交換する―と、大きく3つの工事に大別される。

こうした工事に対応するため、同社は技術を培い、交換部品の製造を自社工場で行うようになった。1995年には外資系昇降機メーカーから協力工場の指定を受け、2002年にはエスカレーターの外装パネルの施工業務を開始、2004年には機械器具設置工事業の許可を取得した。2005年には、外資系昇降機メーカーとの取引が調達方針の変更によって縮小したことにともない、大手昇降機メーカーとの取引を開始。リニューアル・改修工事に必要なレールブラケットなどの製造をはじめ、CO2レーザマシンを導入し、製缶事業を強化していった。

画像:「スピードと品質」を信条に事業を発展左:ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ+LST-3015G/右:AL5052・板厚3㎜の三方曲げ(手前)と四方曲げ(奥)。アルミの加工は初めてだったがENSIS-AJでブランク加工、HGで曲げ加工し、問題なく製作できた

昇降機のリニューアル・改修事業と部品製造事業

2007年には、エレベーター・エスカレーターの新設・リニューアル工事を行う別の大手昇降機メーカーの子会社との取引を開始。現在は2社の昇降機メーカーから据付や、リニューアル・改修工事を受注するようになった。

2012年、現在地である伊丹市に本社工場を移転した。

2005年から取引を行う昇降機メーカーとは当初、兵庫県内のみの契約だった。しかし、これまで西日本地域の据付、リニューアル・改修工事は同社を含む3社の協力会社が行っていたが、ほかの2社が撤退したことで、残った同社が沖縄県を含む西日本全域をカバーすることになった。対象エリアが西日本全域になったことで、同社の業務量は増え、コロナ禍でも繁忙状態が続いている。

リニューアル・改修工事は通常4名程度のスタッフで行うが、最近はただでさえ人手が不足しているうえに、高層ビルの仕事が増えたことで高所作業になることが多く、若者から敬遠される傾向がある。同社も同様に人手不足の課題はあるが、今のところ「施工部門」は外部協力工事業者も活用しながら、なんとか間に合っている状態だ。

「製造部門」では10名の社員が製缶加工を行っているが、工事量が増えた場合には工事の応援に出ることもある。リニューアル・改修工事を担当することで、「製造部門」が製作するレールブラケット類の重要性を認識できるなど、品質管理の点からも大切な経験となっている。

画像:「スピードと品質」を信条に事業を発展左:溶接工程/右:塗装ブース

会社情報

会社名
株式会社 水野工業所
代表取締役社長
水野 浩充
所在地
兵庫県伊丹市森本8-69
電話
072-764-6072
設立
1966年(1962年創業)
従業員数
23名
主要製品
エレベーター・エスカレーターの部品製造・据付および改修工事、製缶板金加工、製作金物、鉄骨建築金物類
URL
http://www.mizunokogyo.com/

つづきは本誌2021年6月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから