特集

新たな価値創造で得意先開拓に成功した企業

強力なモノづくりネットワークでトータルサポート

加工提案まで行うセールスエンジニア、JIT納品に対応する生産管理、75PPMを実現する品質保証が強み

株式会社 竹村製作所

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 画像:強力なモノづくりネットワークでトータルサポート①2015年に導入したベンディングマシンEG-6013(駒ヶ根工場)/②駒ヶ根工場で製作した通信機器向けのパーツ/③SheetWorksで作成した3次元モデル

強力なモノづくりネットワークを構築

㈱竹村製作所は、東京都稲城市に営業拠点である東京事業所、長野県駒ヶ根市に板金加工を手がける駒ヶ根工場、岩手県北上市に板金加工から溶接・アセンブリーまで手がけるグループ企業の㈱共栄テックをもつ。

1970年に竹村寛会長が八王子で創業して以来、同社は生産拠点を東京都稲城市、長野県駒ヶ根市に移しながら、三多摩地域の通信機器メーカーや電機メーカーから受注する精密板金加工の仕事を手がけてきた。

2002年に伊藤久雄社長が2代目社長に就任してからはビジネスモデルを刷新。まずは「無借金経営」を原則とし、設備投資は自前資金から行うことに徹した。

伊藤社長は「これまで板金サプライヤーは不況期でも多額の資金を借り入れて設備投資を行い、景気循環による回復を待ち、投資を回収するのがセオリーでした。しかしこうしたスタイルは、もはや通用しません。激動する国内製造業で環境変化に柔軟に対応するためには、借金が企業の改革・改善の足かせになる状況は避けるべきです」と語る。

さらに、東京事業所の営業力を強化し、駒ヶ根工場の設備増強と共栄テックの設立により生産能力を強化するとともに、40社超の協力企業で構成される強力なモノづくりネットワークを構築。コアコンピタンスである精密板金加工を中心に、自社工場と協力企業群の設備力によって、開発・設計から機械加工、プレス加工、電装組立、表面処理、溶接・組立までワンストップで対応できるトータルサポートを強みとし、ピーク時は年商30億円を達成した。

その後、リーマンショックで仕事量が激減してからは、ビジネスモデルを再度転換した。「板金回帰」を掲げ、モノづくりネットワークはそのままに内製と外製の2本立てで板金加工にリソースを集中。一部上場の大手メーカーや1次サプライヤーの新規得意先を開拓し、多品種少量生産品の受注を強化した。その結果、年商は16億円程度まで減少したものの、利益率を重視した堅実な実績をあげている。

東京事業所で伊藤社長に、駒ヶ根工場で竹村聖史工場長に、それぞれ話を聞いた。

 画像:強力なモノづくりネットワークでトータルサポート左:代表取締役社長の伊藤久雄氏/中央:駒ヶ根工場の竹村聖史工場長/右:東京事業所の営業部門

商社的機能で急成長―年商7倍超に

前職で大手板金サプライヤーの役員を務めた伊藤社長は、2002年の社長就任後、人脈を活かして大手メーカーとの取引をスタート。特にアミューズメント機器の仕事は、設計から加工、アセンブリー、組立配線、完成まで一式で請け負い、急成長の原動力となった。

伊藤社長は「1件で生産数量が5万台超の案件もありました。当社だけではとても対応できない内容・ボリュームの仕事でひるみましたが、頼りにしてくださるお客さまのためにもチャレンジすると決めました」と振り返る。

駒ヶ根工場にはパンチングマシンEM-2510NTやパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTなどの最新設備を導入し、設備能力を強化。2005年には共栄テックを設立して大型筐体の溶接・組立にも対応していった。その一方で、設計から組配まで対応したことで製造原価に占める外注費・購入品の割合が70%を超え、売上高は右肩上がりで伸びていった。2002年には年商4億円だったが、5年後の2007年には7倍超のグループ年商30億円を達成した。

「当時は板金加工業というよりは商社としての機能の方が強かった。しかし、これだけのボリュームの仕事がいつまでも続くとは思えませんでした」と伊藤社長は語る。

 画像:強力なモノづくりネットワークでトータルサポート①駒ヶ根工場で製作した積層の曲げ金型と、アミューズメント機器用コインレールの製品/②レーザ加工で製作した簡易型とサーバー向け部品のルーバー。奥からパンチ、ダイ、ワーク。型はSUS304・板厚3㎜、ワークはアルミ

会社情報

会社名
株式会社 竹村製作所
代表取締役社長
伊藤 久雄
東京事業所
東京都稲城市東長沼1703-2
駒ヶ根工場
長野県駒ヶ根市赤穂大徳原16689
電話
042-378-3851(東京事業所)
設立
1972年(1970年創業)
従業員数
43名
主要事業
情報通信機器・店舗什器・アミューズメントマシンなどの部品製作(設計、精密板金加工、組立)
URL
http://www.takemura-tokyo.co.jp/

つづきは本誌2016年9月号でご購読下さい。

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