特集

サニタリー設計に対応する食品機械の板金加工

食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応

コンタミ対策をはじめ、衛生管理に対する社員教育を徹底

株式会社 栄進産業

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画像:食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応食品・医薬工場向けのクリーンブースの加工・組立を行う

医薬業界に参入し、厳しい品質管理に対応

画像:食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応森本博社長

新しい技術によって、ビジネスモデルが大きく転換する時代 ― だからこそ果敢に“挑戦”し、“冒険”する企業にならなければならない。

創業者である森本明会長から、34歳でバトンをタッチされて以来、20年間経営に携わってきた森本博社長は、冒頭の気持ちで率先垂範、事業に取り組んでいる。

社長に就任した当時は、森本会長が以前勤めていた食品機械メーカーの仕事が主体だった。その後、さらに事業の柱を増やすため、コアコンピタンスであるステンレス加工・製缶加工・バフ研磨の技術を生かして、医薬関連の開拓を目指した。しかし、いざ飛び込んでみると医薬業界は大変な業界で、加工設備・製造工程・検査工程などのマニュアル作成、管理責任者の選任など、GMP(Good Manufacturing Practice)に基づいた厳しい管理への対応を要求された。

森本社長は「当時、私はまだGMPという言葉すら知らなかったので、ずいぶん勉強しました。GMPは、医薬品の製造と品質管理に関する国際基準のこと。1968年に世界保健機関(WHO)がGMPの制定を決議し、1969年に各国に勧告。日本では1976年4月に行政指導により適用され、1980年にGMP省令が公布されました」。

「GMPは①人為的な誤りを最小限にする、②医薬品への汚染と品質変化を防止する、③高度な品質を保証する ― の要件を満たすことを目的とし、最終医薬品の製造に関する規範・建物・機械設備のほか、製造工程・保管・衛生の各管理者をおいて、品質管理基準書を作成することや出荷の記録、有効期間の設定、苦情処理などの項目への対応が求められていました」。

「製造する機械・装置にも、GMPに準拠した製造工程を構築する必要がありました。なかでもコンタミネーション(以下、コンタミ)対策―異物混入や汚染を防止するための対策に腐心しました。しかし、この経験がその後の食品機械向けの板金加工にも生きました」と語っている。

  • 画像:食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応形鋼を加工するQuattroは最長10mの形鋼を加工できる
  • 画像:食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応HDS-2204NTには光線式安全器(矢印部)が装備されている

食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応

㈱栄進産業は1978年、食品機械メーカーに勤めていた森本明会長が独立し、徳島県徳島市川内町で創業した。当初はステンレス関連の仕事を手がけ、数年後、食品機械メーカー向けの仕事がスタート。その後は、機械加工も取り込み、事業を拡大していった。2代目社長に就任した森本博社長は、食品工場や医薬製剤工場向け製造機械・装置の設計・製造・組立・現地据付までに対応した“エンジニアリング受注”に力を入れてきた。

現在、売上全体に占めるおおよその割合は、食品機械が60%、医薬製剤機械が25%となっている。

画像:食品・医薬工場向け装置のエンジニアリングに対応左:工程進捗情報がプロジェクターで投影され、工場内の全社員が確認できる/右:大型プロジェクターで投影された進捗情報を示す工程表

会社情報

会社名
株式会社 栄進産業
代表取締役
森本 博
住所
徳島県板野郡板野町吹田字平山156−1
電話
088-624-7555
設立
1978年
従業員数
21名
事業内容
飲料用充填機の外装フレームやカバー、食品加工、医薬製剤関連のクリーンブース、真空チャンバーのなどの製作、ステンレス製缶、溶接、バフ研磨加工など
URL
http://eishin1.jp/

つづきは本誌2018年8月号でご購読下さい。

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