特集

サニタリー設計に対応する食品機械メーカーの板金トレンド

10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題

品質保証ソリューションのグローバルマーケットリーダーを目指す

アンリツインフィビス 株式会社

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画像:10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題①金属検出機付き重量選別機/②X線検査機「XR75シリーズ」

外食・中食ブームの背景には、高度な衛生管理への要求

画像:10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題新美眞澄社長

アンリツインフィビス㈱は、優れた信号処理技術と精密な機械制御技術を基盤に、国内をはじめグローバルに事業を展開している。

主要事業としては、自動電子計量機などの生産機器から質量・異物の検査機までの開発・製造・販売・保守を行っている。主要製品は、X線検査機、金属検出機、自動重量選別機および自動電子計量機など。2008年に操業を開始したタイ工場からは、一部の製品やユニットを日本に逆輸入し、国内の生産や販売に活用している。

2016年の連結売上高は196億円。2013年には中国・上海工場を開設、現在は中国国内向けの製品を製造している。また、イギリスや米国に販売会社を開設するなど、海外市場の開拓に力を入れている。2020年までの中期経営計画「2020 VISION」では、「ワールドクラスの品質保証ソリューションパートナー」の地位確立、2020年度連結売上高250億円、営業利益率12%、海外事業比率50%以上を目標に掲げている。

国内では近年、「食の安全・安心」に対する消費者の要求がますます高まっている。「中食ブーム」の潮流を読み取り、食品流通を拡大させるコンビニ各社は、自社のコンビニ店舗向けの食品を加工するベンダーに対して、高度な衛生管理を要求している。とくに異物混入などについては、厳重な“品質検査”が必要不可欠で、感度の高いX線検査機による異物検査が必須となっている。

大手食品メーカーから小規模食品製造業者まで含めると、日本国内には、およそ10万ラインの食品加工ラインがあると想定されており、食品加工ラインすべてに異物検査が求められるようになっている。

画像:10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題神奈川県厚木市にあるアンリツグループの「グローバル本社棟」

「見えない不安を、見える安心へ」

田沼敦郎執行役員開発本部長は、同社の経営に対する姿勢を次のように語る。

「食品の『安全と安心』は、誰しもの願いです。当社は『見えない不安を、見える安心へ』という考えで、異物混入検査のほか、数量・質量・形状・包装状態などを総合的に検査して出荷前に不適合品を発見、自動選別を行ってラインから排除するなど、多様な品質検査に対応できる製品ラインナップでお客さまの要望に応えております」。

「1台のX線検査機や金属検出機が1分間に検査できる商品は、多い時には数百個に及ぶことがあります。当社の製品では、商品に混入した1㎜をはるかに下回る微小な異物を一瞬で感知、自動ではじき出すことができます。最近では、金属以外に骨、プラスチック、虫などあらゆる異物に対する要求が強まっています。混入が疑われる対象製品を流通段階で直ちに回収、加工ライン全体を管理・制御し、生産状況や品質を総合的に管理しています。X線検査画像を含めた生産に関する各種の品質データを記録、トレーサビリティー構築にも対応できることが望まれるようになってきました」。

  • 画像:10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題X線検査機の組立ライン
  • 画像:10万ラインあるといわれる食品製造の品質保証管理が課題検査工程。組立が完了したX線検査器の試験を行っている

会社情報

会社名
アンリツインフィビス 株式会社
代表取締役社長
新美 眞澄
住所
神奈川県厚木市恩名5-1-1
電話
046-296-6700
設立
1967年
従業員数
404名(2017年3月末現在)
主要製品
食品・医薬品産業向けX線検査装置、金属検出機、質量検査機、自動選別装置、総合品質管理制御システム
URL
http://www.anritsu.com/infivis/

つづきは本誌2017年8月号でご購読下さい。

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