お客さまから必要とされるサプライヤーの条件
「お客さまから必要とされる企業」を目指す
IoTを活用し、「ものづくり補助金」でENSIS-AJを導入
株式会社 アラクス
①国内第1号ユーザーとして導入した3kW仕様のENSIS-3015AJ/②プログラム室の前には、マシンごとに進捗情報がわかる生産管理システムAPC21の工程管理板「KAIZEN」が設置され、社員が進捗情報を共有するようになっている
「お客さまから必要とされる企業」を目指して
荒川誠社長
㈱アラクスは、得意先から必要とされる企業として存在するために日々、努力を積み重ねている。
同社は1973年、荒川健会長が香川県観音寺市内の自宅ガレージを改造して仮工場をつくり、夫人と2人で製缶溶接を行う荒川鐵工所を創業したことがはじまり。水産加工機器の製造・非鉄金属加工を行うようになった。1980年には水産加工業者と共同で、遠赤外線を実用化した「遠赤外線両面焼機」の開発に成功。1989年には市内柞田町に現在の製缶工場を建設、移転して㈱荒川鐵工所として法人化した。
「遠赤外線両面焼機」を開発
「創業当時、私はまだ小学校低学年、両親は深夜まで仕事をしていたので、工場の音が子守歌がわりでした。両親が寝る間も惜しんで仕事を続けた結果、10年後には自前の工場を建設することができました」と荒川誠社長は語る。
1980年に開発した「遠赤外線両面焼機」の1号機を1989年にユーザーに納入、ところが特許出願の準備をしていた時期に、大手ガス機器メーカーから「遠赤外線両面焼機」が発売された。
荒川社長は「開発した遠赤外線両面焼機は、開発当時は話題となり、テレビなどでも紹介されました。ところが10年ほど後にテレビCMで大手ガス機器メーカーが発表した『遠赤外線両面焼機』の広告を見たときに、資金力のない中小企業では競争に打ち勝つのは困難と判断し、少ししてから事業化は断念した」と、当時の苦労を語る。
左:FO-MⅡ RIによる角パイプのレーザ加工/右:ENSIS-3015AJとFO-MⅡ RI3015の加工比較(SUS304・板厚1.0㎜)
社名「アラクス」は無限の可能性を表現
高校を卒業した荒川社長は、大阪市内にある厨房機器を製作する会社で板金加工の仕事に携わってきた。そして24歳となった1991年、荒川会長から呼び戻され、同社へ入社した。
ところが戻ってみると、設備らしい設備がない。「大阪の工場ではアマダの各種板金機械の操作を担当していたので、自分の会社に設備が少ないことに驚いた」と荒川社長は当時の心境を語る。そこで、会長を説得してまずコーナーシャー導入、次第に設備を拡充するようになった。
1996年にはアマダのパンチングマシンCOMA-557と、2kW発振器を搭載したレーザマシンを中古で導入、業務用コンピュータを導入して事務合理化を目指した。そして、1997年に社名を㈱アラクスに変更した。「アラカワに『X』を付けることで、会社の無限の可能性を表現した」という。
ベンディングマシンHG-2204による曲げ加工
第11回優秀板金製品技能フェアで銀賞を受賞した「太鼓台(ちょうさ)」(SUS・板厚0.5〜5㎜、W550×D250×H380㎜)
会社情報
- 会社名
- 株式会社 アラクス
- 代表取締役社長
- 荒川 誠
- 住所
- 香川県観音寺市柞田町乙2396-1
- 電話
- 0875-23-0530
- 設立
- 1989年(1973年創業)
- 従業員数
- 29名
- 主要事業
- レーザ加工・レーザ切断・精密板金加工(タレパン加工・曲げ加工・各種溶接加工)
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