安定成長する医療機器を支える板金加工
新型コロナウイルス感染予防に対応する医療機器需要が拡大
増産に向けた工場建設・設備導入が補助金対象事業に採択
株式会社 協和
左:パンチングマシンEM-3510ZRT+AS-2512NTK+ULS-2512NTK(伊勢崎工場)/右:超薄型パーティションタイプの空気清浄機「クリーンパーティション
経営環境の変化に柔軟に対応し、強い企業体質に進化
八木橋比佐樹社長
㈱協和は精密板金を専門に、設計から組立まで一貫で行う金属加工会社で、2017年に創業50周年をむかえた。
社長就任4年目の八木橋比佐樹社長は創業者の娘婿。小さいころから自分の道は自分で切り開くようにと教育を受け、学校卒業後は自動車の整備、建築、飲食業などを経験した。結婚後に夫人の実家の金属加工業に従事、次第にものづくりのおもしろさに惹かれていった。
八木橋社長は、飲食業界で繁忙期・閑散期への対応と平準化に努力した経験を生かし、受託加工業である自社のものづくりを、受注変動に対応した柔軟な生産体制に改革することに取り組んだ。
そして内製化による自前主義ではなく、地域に仕事を呼び込んでくることを考え、同業者や異業種との企業ネットワークづくりにも力を注いできた。現在では協力企業の数が30社余りになり、溶接技術やロボット溶接のノウハウに優れているなど、さまざまな特徴を備えた企業が集まっている。
八木橋社長はそうした社内外での活動を通じて、次第に事業継承者としてのリーダーシップも備えていった。2016年に社長に就任すると、「お客様側に立った生産活動を行うことにより、人々の豊かな暮らしに貢献する」の経営理念を掲げ、「経営環境の変化に柔軟に対応し、強い企業体質に進化させる」「確かな品質・納期厳守を追究し、求められる以上の技術とコストダウンの実現」という経営方針を発表した。
左:パンチングマシンEM-3510ZRT+AS-2512NTK+ULS-2512NTK/右:自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC
2017年に竣工した伊勢崎工場
八木橋社長は、溶接・組立能力を高めることで一貫受注を実現できると考え、2017年に大型製品の組立にも対応できる敷地面積4,000坪の伊勢崎工場を開設した。工場にはメガソーラー用パワーコンディショナーを導入し、工場屋根と敷地内に発電能力600kWの太陽光発電パネルを設置、環境配慮型のグリーン工場とした。
「電力の買取価格は1kWhあたり21円にまで下がっていましたが、600kW全量を売電すると8年で設備が償却できると判断しました」と八木橋社長は語る。
加工内容はアングル加工、パイプ加工、プレス加工、切削加工、溶接、組付けなど、幅広い分野で対応が可能となっている。
また、伊勢崎工場は試作から量産試作、量産までの一貫した生産ができる工場を目指し、設備レイアウトを考えた。大型のメガソーラー用パワーコンディショナー(500kW)の筐体や輸出向けメガソーラー用パワーコンディショナー(1,500kW)の筐体組立を行う工場スペースと機械設備を備えている。加工する製品はメガソーラー用パワーコンディショナーなどの大型機から、シュレッダー、医療機器など幅広い分野を目指した。
ハンディファイバーレーザ溶接機FLW-600MTが設置された溶接ブース
伊勢崎工場の屋根と敷地内に設置された太陽光発電パネル。発電能力600kWの太陽光発電所となっている
会社情報
- 会社名
- 株式会社 協和
- 代表取締役
- 八木橋 比佐樹
- 本社・本社工場
- 群馬県みどり市笠懸町鹿2107-1
- 伊勢崎工場
- 群馬県伊勢崎市五目牛町379-2
- 電話
- 0277-76-1661(本社)
0270-75-3393(伊勢崎工場)
- 設立
- 1967年
- 従業員数
- 53名
- 主要事業
- アングル加工、パイプ加工、プレス加工、切削加工、溶接、組付け等/公共事業用アングル製品、アミューズメント機器等の周辺機器、工場用設備、医療機器、クリーンパーティション等の製造
- URL
- http://kyowa.me/
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