「お客さまの夢に協力したい、助けたい」をモットーに
パイプ・形鋼のファイバーレーザ加工でトータルコストを削減
株式会社 高賢
左:ENSIS-3015RIで加工した角パイプの切断面品質は高く、仕上げレスで出荷する/右:ENSIS-RIによる角パイプの加工。メインチャックとサポートチャックが2カ所で材料を固定し同期回転することで高精度に加工できる
製缶板金、精密板金、パイプ・形鋼加工に対応
高橋幸司社長
㈱高賢(たかけん)は1939年、高橋幸司社長の祖父が高賢ヤスリとして創業し、ヤスリの製造・販売を行ってきた。その後、1971年に高賢製作所に社名を変更し、プレス加工を主体とした金属プレス加工業に事業転換した。
高橋社長は2005年、30歳になったのを機に地元の企業を退社して同社に入社。金属筐体製造による社内製造装置の企画・試作・量産立ち上げの経験を生かして、産業機械の設計・製造の仕事を受注するようになり、それと同時に同社が保有するベンディングマシンやパイプベンダーなどを活用して製缶板金加工を手がけるようになっていった。
2008年に株式改組、社名も㈱高賢に変更した。専務となった高橋社長はリーダーシップを発揮し、製缶板金加工から精密板金加工、パイプ・形鋼加工へと事業領域を拡大していった。
左:平板・パイプ・形鋼の加工に対応するファイバーレーザマシンENSIS-3015RI(3kW)+LSTRI-3015E/右:パイプ加工用Dr.ABE_TubeでENSIS-RIのパイプ加工用CAMを作成する
事業領域拡大のきっかけになったQuattro
事業領域拡大のきっかけになったのが、2009年に導入した小型レーザマシンQuattroだった。Quattroは、設置スペースやランニングコストが制約となってレーザマシンの導入に踏み切れないユーザー向けに開発されたマシンで、2kW(2001年の発表当時は1kW)CO2レーザ発振器を搭載し、価格もおさえられた扱いやすいレーザマシンだった。
同社のQuattroは、2kWの発振器にオプションのパイプインデックス装置を搭載し、パイプ加工にも対応可能なコストパフォーマンスの高いマシンになっている。
高橋幸司社長は「角パイプ・丸パイプの加工といえば、それまではメタルソーやバンドソーによる切断、ドリルによる穴あけ、フライス盤による切削、金型でのパンチング加工が主流でした。しかし、バリ取りや金型製作によるリードタイムの増大とコストアップ、加工精度など、課題は山積みでした」。
「Quattroを導入することで、パイプ加工に関するこれらの課題が一気に解消します。さらに、パイプだけでなく平板も、通常のレーザマシンと同等の加工速度・コストで高精度な加工ができます。これからはパイプにホゾ・ミゾを加工し、それを嵌め合い構造で組み合わせることで溶接組立がしやすくなる嵌め合い工法を提案していこうと考えました」と語っている。
その後は板金加工の受注量も増え、工場スペースが不足してきたため、2012年に第2工場を開設。2016年に高橋社長が3代目社長に就任し、現在は産業機械部品、台車、医療機器・鉄道車両・食品機械などに使われる板金製品、パイプ・形鋼加工の仕事がメインとなっている。
曲げ工程。ベンディングマシンHDS-1303NT(手前)、FMB-3613NT(奥)などが並ぶ
自動溶接遮光面を使用した溶接作業
会社情報
- 会社名
- 株式会社 高賢
- 代表取締役社長
- 高橋 幸司
- 所在地
- 新潟県燕市八王寺字屋敷付1439
- 電話
- 0256-62-3593
- 設立
- 2008年(1939年創業)
- 従業員数
- 20名(役員3名、他社員17名)
- 主要事業
- ステンレス・アルミ・鉄・その他特殊金属の精密板金加工・製缶板金加工・溶接・研磨・組立/特注品・試作品の企画・設計・製作
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