大板材対応ファイバーレーザマシン活用事例
加工品売上で売上比50%を目指し、レーザマシン100台計画を推進
大板材加工用のENSIS-6225AJは月450~500時間稼働
小野建 株式会社
売上は今期、中期目標超えか
鉄鋼・建材商品販売から請負工事まで行う専門商社、小野建㈱の2024年3月期の売上高は2,819億3,300万円(前期比7.3%増)、営業利益は82億1,900万円(前期比15.6%減)となった。
2025年3月期は鉄鋼商品の販売数量の増加と販売単価の上昇により、売上高は過去最高の前期比7.1%増の3,020億円、営業利益は同3.4%増の85億円を見込んでいる。売上に関しては、加工品等の販売先ニーズへの対応、前期にM&Aした会社の売上が寄与することも見込んでいる。
同社は「中期経営ビジョン2023」として、「売上高3,000億円、営業利益150億円、安定的なROIC(投下資本利益率)4.5%の達成」を掲げている。売上高は今期中に3,000億円超えを達成するが、営業利益の達成はきびしい。前期に減益となった要因としては、「物流センター拡充のための設備投資が先行し、販管費の増加による影響が大きかった。加えて、仕入価格の上昇にともなう鉄鋼商品販売の利益率の低下が大きい」(小野剛副社長)という。
鋼材流通のビジネスモデルが変わる
小野副社長は鋼材流通における商社の役割について、「鋼材を右から左に流して口銭を稼ぐビジネスモデルは終わった。これからは品ぞろえから、短納期対応、お客さまの要求にきめ細かく対応する加工品販売が主流になる」と考えている。
中期ビジョンでは、倉庫・物流機能と加工機能を備え、存在感のある企業、すなわち「鉄鋼のよろずや&建設業界のベストパートナー」を目指す。これにともなって、販売エリアを拡大し、顧客利便性向上のために加工設備を増強、利益率の改善と販売シェアの向上を目指す。
顧客基盤を拡大するために、M&Aによって業界再編の軸となり、商材の共有を進める。全国に拠点を増設・新設して小口・即納体制を強化、顧客利便性の向上をはかっていく。各地に在庫、加工機能を備えた物流拠点を点在化させることで、輸送の短距離化により、「物流2024年問題」への対応、CO2削減を目指す。
2023年には長崎支店倉庫を増設。2024年6月には佐賀営業所倉庫、山口営業所倉庫を新設した。さらに、年内には東京支店静岡センターが開設され、2025年には中国地域最大級の拠点となる福山営業所倉庫の新設も予定している。
現在は本社がある九州・中国エリアの拠点整備が進んでいるが、これからは近畿・中部、関東・東北エリアの売上増を計画していくために拠点開設と加工設備のさらなる増設が必要になっていく。
会社情報
- 会社名
- 小野建 株式会社
- 代表取締役社長
- 小野 建
- 代表取締役副社長
- 小野 剛
- 本社
- 福岡県北九州市小倉北区西港町12-1
- 福岡支店
- 福岡県福岡市東区箱崎ふ頭4-12-11
- 電話
- 092-642-2022(福岡支店)
- 設立
- 1949年
- 従業員数
- 806名(連結1,017名)
- 主要事業
- 鋼材の販売・加工ならびに輸出入業、金物・土木建築材料の販売、土木建築工事請負業、不動産の売買、賃貸業など
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