ファイバーレーザ溶接でボトルネックを解消 ― 溶接・仕上げ工数90%削減の製品も

特集

ファイバーレーザ溶接システム活用事例

溶接治具の独自ノウハウで高精度・高品質を実現

第一精機株式会社

画像：ファイバーレーザ溶接でボトルネックを解消 ― 溶接・仕上げ工数90%削減の製品もファイバーレーザ溶接システムFLW-6000ENSISe（走行台車＋シャトル式ポジショナーテーブル仕様）。同社は2016年以来9年間で6台のファイバーレーザ溶接機を導入した

ファイバーレーザ溶接機を9年間で6台導入

画像：ファイバーレーザ溶接でボトルネックを解消 ― 溶接・仕上げ工数90%削減の製品も大塚浩一社長（左）と、FLW-6000ENSISeのオペレーションを担当する緑川恵太さん

第一精機㈱は2025年1月、ファイバーレーザ溶接システムFLW-6000ENSISe（走行台車＋シャトル式ポジショナーテーブル仕様）を導入した。2016年に導入したFLW-4000（シャトルテーブル仕様）からの入れ替えで、ビーム品質の向上などにより、同一製品の加工時間が約20%短縮した。

レーザ出力を4kWから6kWへ高出力化し、アマダ独自のビーム制御技術ENSISテクノロジーやプッシュプルフィラー機構などとの組み合わせによって、材質・板厚・形状などの加工範囲が拡大した。ファイバーレーザ溶接システムならではの品質安定化と生産効率改善により、さらなる自動化と付加価値改善を目指す。

同社は2016年以来、9年間でファイバーレーザ溶接機を計6台導入し、アーク溶接からファイバーレーザ溶接へのシフトを強力に推し進めてきた。現在保有しているファイバーレーザ溶接機は計5台で、内訳はロボット仕様がFLW-6000ENSISeとFLW-3000ENSISの2台、ハンディ仕様がFLW-1500MT×2台とFLW-600MTの3台となっている。

ファイバーレーザ溶接機はエネルギー密度が高く、熱影響の小ささと高品位な仕上がりが特徴。一連の取り組みにより、品質の改善・安定化をはかるとともに、ひずみ除去などの後工程を削減し、リードタイムも大幅に短縮した。川音周次会長は「移管した製品の溶接・仕上げ工数は90%ちかく削減できたのではないか」と評価する。