特集2

福島・山形で活躍する板金サプライヤー

「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓

DX・GXにも迅速対応

シオヤユニテック 株式会社

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画像:「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-2204ATCで曲げ加工を行う

出力100kWの太陽光発電所を設置

画像:「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓半澤衛常務(左)と塩谷雅彦社長(右)

シオヤユニテック㈱塩谷雅彦社長の父、塩谷利彦氏が、1984年に溶接専門企業として創業した。1990年に各種設備を導入し板金製缶事業を開始。2004年には塩谷雅彦社長が32歳で2代目社長に就任した。

2009年にISO9001、2010年にISO14001の認証を取得(2019年にISO9001およびISO14001の認証を返上)。2013年には東日本大震災後の原発事故によるエネルギー事情の悪化を受け、太陽光発電所「お天道様のチカラ発電所」(出力100kW、FIT制度を利用した全量売電)を設置した。2018年には加工から溶接・組立までワンストップ対応するため、金属焼付塗装事業を開始、一貫生産体制を構築していった。

「極少量大型板金・精密製缶」に特化

「社長就任の際に私が掲げたのは、『社員一人ひとりの幸せを大事にすると同時に、お客さまから頼りにされるパートナー企業を目指す』という企業理念でした。この企業理念は、とてもお世話になっていた方から教わった『幸せな社員が幸せなお客さまをつくり、幸せなお客さまがわが社の将来を保証してくれる』『6種の利害関係集団(得意先・仕入先や外注先・金融機関・従業員・国家公共機関・資本主)から信用・信頼される経営』という考えに感銘を受け掲げました」。

「当社が創業当時から携わってきた製品は、発電所・変電所・産業用電源などの電機電力業界、板金・切削などの金属加工機械、鉄道車両や建設機械などの電源BOXや電源筐体など、社会インフラに関連したものが多い。一方で、薄板・小物・中量品の精密板金にも携わり、高額な加工設備の償却をしながら価格競争の波にもまれ、工場でものづくりをする作業者も財務を守る経営者も疲弊していました」。

「そこで、精密板金をやめて『極少量大型板金・精密製缶』に特化することを社内外に宣言。その際にも半澤衛常務を筆頭に全社員が協力してくれました。それが功を奏して今日の当社が築かれたと思っています」(塩谷社長)。

  • 画像:「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓2020年12月に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(6kW)+AS-3015G
  • 画像:「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓HD-1703LNTなどが並ぶ曲げ加工エリア

半導体製造装置分野にも進出

「従業員は31名ですが、小規模だからこそ可能なフットワークの良さと迅速な意思疎通により、お客さまの要求を満たすものづくりが可能です。加工設備も5´×10´材に対応できる大型・最新鋭のものをそろえ、極少量・大型の製品のセット受注(子部品まで含む一式での受注)を中心に対応してきました。精密板金加工企業にとっては厚く、製缶加工企業にとっては薄い、板厚3.2~6.0㎜の中板領域が当社の得意分野です」。

「また、3次元CADを活用した設計提案にも早い時期から取り組んでいて、2017年頃から半導体製造装置の分野に進出しました。原発事故以降、原子力発電所の運転制御盤をはじめとした電機電力関連の仕事が減り、再生可能エネルギーに関連した電力制御機器関連の仕事にも一服感が出てきました。金属加工機械関連も景気の変動に翻弄されがちです。その一方、スマートフォンやタブレット端末、車載用に需要が拡大する半導体の製造装置の生産拡大にともなって、製造装置メーカーが新たなサプライヤーを探していたことで、当社も製造装置の板金製品の仕事を受注するようになりました」。

「その結果、電機電力関連の盤筐体の割合が減り、半導体製造装置の割合が増えました。2018年は米中貿易摩擦の影響を若干受けましたが、2019年には過去最高の粗利益を達成しました」(塩谷社長)。

画像:「技術のブランディング」を推進 ― 独自の技術と発想で新規開拓左:アイアンワーカーには安全のため、専用のカバーが取り付けられている/右:溶接加工作業

会社情報

会社名
シオヤユニテック 株式会社
代表取締役
塩谷 雅彦
所在地
福島県福島市松川町下川崎字新田61
電話
024-567-6367
設立
1987年
従業員数
31名
主要事業
極少量大型板金および精密製缶事業、金属塗装事業
URL
https://www.sut-jp.com/

つづきは本誌2023年10月号でご購読下さい。

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