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「厨房設備機器展」開催

異業種とのコラボによる「新たな価値づくり」

HACCP制度化を控え、対応が急務に

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画像:異業種とのコラボによる「新たな価値づくり」ホシザキはコネクテッドロボティクスとのコラボによるシステム食器洗浄機(ラッキングロボット仕様)を参考出品

2019年は転換点になる

宿泊・外食・中食・給食産業向け厨房機器の専門展示会「第19回 厨房設備機器展」が2月19日から22日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された。主催は、一般社団法人日本厨房工業会と一般社団法人日本能率協会。同展は、「国際ホテル・レストラン・ショー」「フード・ケータリングショー」などとともに合同展示会「HCJ2019」を構成する展示会のひとつ。同時開催展も合わせた出展者数は前年比19.8%増の1,184社・団体、会期中の来場者数は同9.8%増の6万7,171名となった。

会場では、大手厨房機器メーカーを中心に「東京五輪と首都圏再開発へ向け、足もとの業績は好調」という声が多く聞かれた。また、「五輪需要のピークアウトと消費増税で、2019年は転換点になる」という見方も各社共通していた。しかし、前回(2018年開催)のような強い警戒感は薄れ、インバウンド需要と再開発事業の継続により「そこまで大きな落ち込みにはならないと思う」という声が多かった。

厨房機器市場は、長期的には人口減少により収縮するとみられている。それに対して出展各社は、「新たな価値づくり、市場づくりが求められている」として、自動化・省力化に対応した製品のほか、異業種とのコラボレーションによる開発商品やロボットを活用したコンセプトモデルを提案するなど、前向きな姿勢が目立った。

海外メーカーの躍進も目立った。世界トップシェアのスチームコンベクションオーブン(スチコン)メーカーであるラショナル・ジャパン(ドイツ)や、食器洗浄機メーカーのウィンターハルター・ジャパン(同)ホバート・ジャパン(米国)といったグローバルメーカーが出展ブースを年々拡大。「日本法人の業績・従業員数とも右肩上がりで伸びている」としていた。

  • 画像:異業種とのコラボによる「新たな価値づくり」福島工業はブース全体で「HACCP制度化の準備」を謳い、各種HACCP対応製品を展示した
  • 画像:異業種とのコラボによる「新たな価値づくり」マルゼンはスチコンを新シリーズに刷新。機種数を2/3に減らし、生産効率化とコストダウンをはかった

HACCP制度化を控え、対応が急務に

今回は2020年のHACCP制度化(義務化)を控え、出展各社はコンサルティングによるHACCP対応支援や、HACCP対応製品(ソフト・機器)をさかんにPRしていた。

なかでも福島工業はブース全体で「HACCP制度化の準備」を謳い、HACCP対応製品としてブラストチラー、ショックフリーザー、再加熱カートなどを展示。「HACCPマスター V3」のようなソフトウエアも出展した。「2020年のHACCP制度化を控え、HACCP対応は今年最大のトピックになる。今回はHACCP対応を前面に出したことで、お客さまからの問い合わせや見積り依頼が増えている」としていた。

ホシザキは1日5回、「HACCPセミナー」を開催。タニコーは「タニコーのHACCPサービス」を大判パネルで紹介。フジマックは、2年前にリリースした厨房管理システム「キッチンリンク」を出展。洗剤メーカーのシーバイエスは、新事業として2018年にリリースしたHACCPソリューションを出展した。