受配電盤の一貫生産メーカーを目指す
中堅幹部の育成に中小企業大学校を活用/大口新規開拓のきっかけに
株式会社 光工作所

電力分野を主軸に発展
中北繁光会長は、家業の酒店で働いたのち、神戸市内にある兄が勤める大手電機メーカーの主力拠点へと誘われ、モノづくりの世界に足を踏み入れる。その後、大手鉄道車両メーカーの1次サプライヤーである神戸市内の板金企業で修行したのち独立、1970年に神戸市長田区で個人企業として光工作所を発足した。同年、㈲光工作所に法人改組、修行先の板金企業などから遮断器部品を中心とした受配電システム関連の板金部品を手がけるようになっていった。
主要得意先だった大手電機メーカーの開閉装置部が1979年に香川県丸亀市へ移転したのを契機に、同社も1981年、神戸市から丸亀市三条町へと移転。手がける製品は配電盤、トビラ、スイッチギア(開閉器)、遮断器部品などへと拡大していった。
それ以降も加工設備の増強、工場建屋の拡張、生産プロセスの合理化・効率化を進めながら、電力分野の事業範囲を拡大。原子力発電所向けの受配電盤や、電線地中化の際に地上に設置される地上用変圧器(パットマウント変圧器)なども手がけるようになるとともに、農業機械や建設機械などの得意先も開拓。「誠心誠意」を創業以来の経営理念とし、納期遵守を徹底することで得意先の信頼を獲得しながら、着実に事業を発展させていった。
2006年には株式改組するとともに、香川県三豊市に高瀬工場を開設、2011年には丸亀市の本社工場を閉鎖し、高瀬工場に統合・集約した。それまではほとんど香川県内の得意先と取引してきたが、2010年に中北徹社長が2代目社長に就任してからは、岡山や広島といった本州の得意先開拓に力を注いでいる。
左:中北繁光会長(右)と中北徹社長(左)/右:香川県三豊市にある㈱光工作所
中堅幹部の育成に中小企業大学校を活用
「グローバル化やサプライチェーン再編などで競争が激化している今の時代は、企業同士の生き残りを賭けたサバイバル競争時代。生き残るためには強い武器(設備)を備え、戦力となる優秀な人材を育てなくてはいけません」と中北会長は語っている。
中北社長は「そのためには経営者と同じ目線を持った中堅幹部の育成が重要になります。経営者である私自身の研鑽はもちろんですが、1人だけの力ではできることは限られる。そこで当社では3年前から、中堅幹部を中小企業大学校広島校に派遣、毎月2泊3日で6カ月間、中堅管理者としての研修を受けてもらっています」。
「私は2006年に職業訓練法人アマダスクールが主催するJMC(経営後継者育成講座)を受講し、私と同じ2代目・3代目という境遇の同期生と交流できたことで人脈ができ、視野も拡
がりました。社員を中小企業大学校へ送り込もうと考えたのも、JMCでの体験が大きいと思います。社員たちを送り出す際には、研修は二の次、とにかく1人でもいいから参加された研修生と友だちになってきなさい、と話しています」と語っている。
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2014年に導入した2台目のパンチ・レーザ複合マシンACIES-2515T+AS-3015NTK+ULS-3015NTK
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曲げ加工エリア
会社概要
- 会社名
- 株式会社 光工作所
- 代表取締役会長
- 中北 繁光
- 代表取締役社長
- 中北 徹
- 住所
- 香川県三豊市高瀬町上麻乙333-1
- 電話
- 0875-57-3515
- 設立
- 1970年
- 従業員数
- 39名
- 事業内容
- 配電盤、電力開閉装置、電力制御装置、遮断器部品、農業用機械部品、産業用運搬車両部品、スポーツ器具部品の製作
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