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建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用

多彩なスライドモーションにより生産性と成形能力を向上

株式会社 阿部製作所

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画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用サーボプレスSDEW-3025(手前)。吊り配管金具の穴あけ・切断・曲げ・タップまで加工している。同社は2009年以降、生産性と成形能力を重視し、すべてサーボプレスを採用。2017年までの8年間で国内に12台、ベトナムに1台のサーボプレスを導入した

配管支持金具のトップブランドへ製品供給

画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用代表取締役社長の阿部修靖氏

㈱阿部製作所は、配管支持金具の国内トップブランドである㈱アカギの中核サプライヤーとして、水道・ガス・空調といった建築向け配管支持金具や配管部材を生産している。

「支持金具事業」「鋼材加工事業」「鋼管加工事業」の3事業を展開し、加工から溶接、組立、梱包、在庫管理までワンストップで対応するトータルパートナー企業として確固たる地位を築いてきた。

創業以来50年余をかけて、規格品の量産を手がける「支持金具事業」を主軸としつつ、鋼管のプレハブ加工を行う「鋼管加工事業」、配管支持金具やキャビネットなどの受注生産品を生産する「鋼材加工事業」を順次立ち上げ、さらには「硬質ウレタン成形」や「樹脂成形」といった非金属製品の加工も手がけるようになった。2006年にはベトナムに工場進出を果たし、ロットサイズが大きく定期的にリピートで生産する製品を移管、コスト競争力を高めた。

事業別の売上構成は「支持金具事業」が75%、「鋼材加工事業」と「鋼管加工事業」が12~13%ずつ(ベトナム工場は除く)。主力はあくまで「支持金具事業」だが、「鋼材加工事業」「鋼管加工事業」が受注生産に対応することで「支持金具事業」の拡販に貢献しており、「売上のウエイトにかかわらず、どれも当社にとっては欠かせない重要な事業」(阿部修靖社長)と位置づけている。

  • 画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用5連プレスロボットライン(TP-110+TP-80×4台+2軸搬送ロボットRY)。カール加工を含む吊りバンド部品などを加工する
  • 画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用SDEW-3025で加工した吊り配管金具(板厚3.2㎜)。「振り子モーション」を使いながら、タップ加工が始まるポイント以降は「低速モーション」で加工する

コロナ禍に翻弄 ― 2021年度はV字回復

「2020年以降はコロナ禍に翻弄されてきました」と阿部社長は振り返る。

2020年度(2021年3月期)はコロナ禍により建築現場の稼働が止まり、営業活動も制約を受けたことで、前年度比20%強の減収となった。2021年度(2022年3月期)は回復に向かったが、今度は供給が追いつかない状態が続いた。2021年夏以降は需要回復に加え、ベトナムのロックダウンや海上物流の停滞によりベトナム工場が担当する製品の代替生産に対応しなければならず、材料価格の高騰を反映した価格改定にともなう駆け込み需要なども重なった。

「特に人手が必要な組立工程の負荷が大きく、約60人のシルバー人材の方に臨時で組立作業をお願いしました。当社の社員にも『会社の緊急事態』として理解を求め、半日稼働の土曜日をフル稼働にしたり、シフトを組んで残業・休出をしたりといった対応で急場をしのぎました。お客さまであるアカギの社員の方にも応援に来ていただきました」。

「海上物流はまだまだ不安定ですが、最近はようやくベトナム工場から順調に供給できるようになり、積み上がった受注残をさばける見込みが立ってきました」と阿部社長は語っている。

  • 画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用SDEW-2025の順送ライン
  • 画像:建築向け配管支持金具の生産にサーボプレス12台をフル活用SDEW-2025で加工したステンレス製の立配管バンド。下死点付近では「低速・停止モーション」による“決め押し”を行う

会社情報

会社名
株式会社 阿部製作所
代表取締役社長
阿部 修靖
所在地
新潟県長岡市与板町与板字江東乙1902-4
電話
0258-72-4500
設立
1972年(1967年創業)
従業員数
184名
事業内容
支持金具事業・鋼材加工事業・鋼管加工事業・海外事業(ベトナム)
URL
https://www.abess.co.jp/

つづきは本誌2022年5月号でご購読下さい。

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