特集

5Gをめぐる市場動向と将来展望(その2)

5Gを支える富士通の取り組み

DXを支えるコネクティビティーの最適化を目指す

富士通 株式会社

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画像:開発技術者の“思い”の連鎖が成果につながる2019年7月からNTTドコモ向けに納入を開始した富士通の①5G基地局制御装置と②5G無線装置

情報処理能力が飛躍的に拡大する5G

5Gとは、次世代移動通信システムである第5世代移動通信システムの略称。2019年から世界各地で実用化が始まり、日本でも2020年春からモバイル通信事業者4社が商用サービスを本格的に開始する。

移動通信システムは、約10年ごとに世代交代を繰り返してきた。1G(アナログ方式)が1970~1980年代、2G(デジタル方式)が1990年代、3G(高速データ通信)が2000年代、4G(超高速データ通信)が2010年代と変遷してきた。4Gに移行した時点で、携帯端末で動画をストレスなく見られるレベルに達したが、5Gに移行すれば、通信速度は超高速の20Gbpsとなり、時速500㎞で高速移動中でも安定的な通信が可能となる。2時間の映画をスマートフォンなどの携帯端末にダウンロードする際も、約3秒で完了する。さらに、1㎢あたりの同時接続端末数は4Gの10万台から100万台になり、機器間の通信も数ミリ秒以内の低遅延通信が可能となるなど、情報処理能力が飛躍的に向上する。

また、5Gは大量のデータを高速でやりとりする自動運転、IoTといった産業分野での恩恵が大きいと考えられている。そこで、通信事業者以外の企業や自治体が提供するプライベートな5G ― 「ローカル5G」にも関心が集まっている。

  • 画像:開発技術者の“思い”の連鎖が成果につながる無線通信規格の変遷
  • 画像:開発技術者の“思い”の連鎖が成果につながる5Gの3つの特長

官民一体で2030年頃には6Gのサービス開始を目指す

課題は、現時点では特定地点で高速通信ができるということ以外に、5Gでなければ実現できないキラーアプリ、キラーユースケースがないことだ。しかも、5G対応のスマートフォンが10万円から20万円と高額に設定されていることもあって、本格的に普及するのは2022年以降との見方もある。

一方、NTTドコモは、2030年頃のサービス提供開始を目指し、「6G」に関するホワイトペーパーを公開した。その中で、5G evolutionならびに6Gにより期待されるさまざまなユースケース、目標性能、技術要素などの技術コンセプトをまとめている。さらに、総務省は今年1月、6Gの実現を見据えた総合戦略を今夏までに取りまとめると発表した。大臣直轄で官民が参加する研究会を立ち上げ、2030年頃の6Gの実用化に向けた議論を開始する。世界各国で6G開発競争が始まる中、5Gで出遅れた日本が巻き返しに乗り出そうとしており、今まさに5G、6Gがヒートアップし始めている。

これから5G、6Gによってどんな世界が拓けてゆくのか。また、産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)の将来像と、板金業界にどのような影響がもたらされるのか ― 情報通信分野の国内トップ企業、富士通㈱の5Gへの取り組みと今後のビジネス展開について話を聞いた。

  • 画像:開発技術者の“思い”の連鎖が成果につながる富士通に寄せられた5G関連の問い合わせ(業種別割合)
  • 画像:開発技術者の“思い”の連鎖が成果につながるローカル5G/プライベートLTEの優位性

会社情報

会社名
富士通 株式会社
代表取締役社長
時田 隆仁
住所
神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1(本店・川崎工場)
設立
1935年
従業員数
13万2,138名(2019年3月31日現在)
事業内容
テクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューション
URL
https://www.fujitsu.com/jp/

つづきは本誌2020年4月号でご購読下さい。

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