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設計から部品加工、完成までワンストップで対応

産業用装置のODMメーカーを目指す/新工場開設・ENSIS-AJ導入で板金部品を内製化

トーワ技研 株式会社

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画像:設計から部品加工、完成までワンストップで対応左:ボイラー設備の組立工程。ODMメーカーとして設計から部品加工、組立・アセンブリー、試運転、立ち会い検査、納品、据付、保守・メンテナンスまでワンストップで対応する/右:ドラム缶再生装置。配管・配線、電装組立も社内で対応する

設計から完成までワンストップで対応 ― 産業用装置のODMメーカー

画像:設計から部品加工、完成までワンストップで対応代表取締役の山岸孝伸氏

トーワ技研㈱は、「設備関連事業」と「板金加工関連事業」の2事業を展開している。

「設備関連事業」は、各種塗装設備・特殊送風機・脱臭装置・空調設備・各種加熱炉といった産業用装置のODMメーカーにちかい業態。得意先から示されるスペックに応じて設計から部品加工、組立・アセンブリー、試運転、立ち会い検査、納品、据付、保守・メンテナンスまで一括で行っている。

設計は、得意先から装置の仕様を示され、打ち合わせを繰り返しながら3名の設計者が3次元CAD Autodesk Inventorや2次元CAD AutoCADで対応する。

手がける装置は、手で持てる肩幅サイズから、高さ3m・長さ12mという大型のものまでさまざま。平均的な生産リードタイムは約2カ月。大型の装置の場合は、分割して現場でドッキングすることになる。トラックやトレーラーによる輸送や据付工事まで考慮した最適な装置設計、ラインの立ち上げまで考慮したスケジュールのトータル管理、設置場所が海外の場合も含めた立ち上げ支援や定期メンテナンスまで一貫して対応できることで、得意先から高い評価を得ている。

「板金加工関連事業」は2014年からスタートしたもので、得意先の図面にしたがって板金加工(ブランク・曲げ・溶接)を行い、部品単位で納品する。業種は、食品機械・自動車工場設備・環境機器が各20%で、そのほか半導体製造装置関係、医療機器、建築金物など多岐にわたっている。

売上構成比で見ると、「設備関連」が40%、「板金加工関連」が60%。得意先は約150社と多く、主要得意先6社で売上全体の60%を占める。

画像:設計から部品加工、完成までワンストップで対応左:ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(2kW)。板金部品の内製化と「板金加工関連事業」の本格立ち上げに貢献している/右:大型装置も手がけるため、フレームに使用するパイプ・形鋼の加工も多い

新工場開設で板金加工を内製化

同社は1987年に先代社長が創業した当初から、ポンプ・送風機(ブロワー)の設計・製作を手がけていた。その延長で、「こういう装置をつくれないか」という得意先からの相談を受け、塗装の乾燥炉や空調設備、コンベヤーといった各種産業用装置を設計から完成まで一貫して請け負うようになっていった。従業員数5名という規模ながら、品質・納期には定評があり、そこにフットワークの良さが加わって、着実に存在感を高めていった。

2010年に山岸孝伸氏が2代目社長に就任してからは、“攻め”の経営姿勢に拍車をかけていく。それまでは「設備関連事業」一本で、設計とアセンブリーのみを社内で行い、部品加工は協力工場に委託していたが、2014年に羽生工場を開設し、板金部品とパイプ・形鋼部品の内製化を進めていった。現在は、マンホールのフタの塗装などを行う加須工場(本社工場)と、主力の2事業 ― 装置設計・装置製作・板金加工を行う羽生工場の2拠点体制となっている。

山岸社長は「目指しているのは、設計から部品加工、装置組立、最終チェックまでワンストップで対応できる工場。2013年頃から設備・装置の仕事量が急速に増えたのを機に、部品加工の内製化と組立・アセンブリーのスペース確保を考え始めました」と語る。

「それまでは、コア部品を除き、部品加工はすべて外部に委託していました。それを当社に納めてもらって、社内で溶接・アセンブリー、配管や電装組立、試運転、立ち会い検査まで行ってから出荷するというサイクルでした。しかし、短納期の仕事が多いと、どうしても外製品の納期管理・品質管理が難しくなり、内製化の必要性を感じていました」。

「板金加工の内製化は、仕事量の平準化をはかる目的もありました。設備関連の仕事は年間を通して変動が激しく、繁忙期と閑散期の差が大きい。その変動を吸収するため、新たに板金部品の受託加工を行う『板金加工関連事業』を立ち上げたかたちです」(山岸社長)。

  • 画像:設計から部品加工、完成までワンストップで対応自動車工場設備に使用するステンレス部品の溶接作業
  • 画像:設計から部品加工、完成までワンストップで対応乾燥装置の溶接・組立工程。取材時は2つの装置を組み立て中で、据え付け時にドッキングして組み上げる

会社情報

会社名
トーワ技研 株式会社
代表取締役
山岸 孝伸
本社
埼玉県加須市下崎1919
羽生工場
埼玉県羽生市東5-17-43
電話
048-577-5540
設立
1987年
従業員数
34名
事業内容
設備関連(各種塗装設備・特殊送風機・脱臭装置・空調設備・各種加熱炉)/板金加工関連(精密板金加工・食品機械・冷凍機械装置・半導体関連・建築金物全般)
URL
http://www.to-wagiken.co.jp/

つづきは本誌2019年10月号でご購読下さい。

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