板金論壇

板金業界に地殻変動

事業継承、M&A、Win-Win連携、ダイバーシティ対応など目まぐるしく変化

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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公共展に多くの板金企業が出展

6月20日から22日にかけて東京ビッグサイトで開催された「日本ものづくりワールド」を取材しました。

中国・タイ・ベトナム・台湾など海外の板金企業も出展し、国内回帰が目立つ製造業界にあって、日本の仕事の受注を目指して、国内外の板金サプライヤーが自社の強みをアピールしていました。

ただ、日本の出展者のなかには、半導体製造装置、工作機械、食品機械といった好調業種のお客さまから、生産能力を上まわる受注を受けており、「展示会に出展して新たな引合いをいただいても、お客さま納期に間に合わせることが難しい」と述懐される企業もありました。

さらに、「オーバーフローした仕事を横請けでやってもらえる同業者を探しにきた」「自社の弱みを補完して、Win-Win連携ができそうな異業種企業を見つけようと思っている」と、喫緊の課題解決の糸口を見つけるために出展している企業や、「どこかM&Aできそうな企業を紹介してもらえないか、探りにきた」とおっしゃる企業もあり、少なくとも業界全体が活況で、繁忙感のあることはよくわかりました。

倒産企業の3倍弱の休廃業企業

帝国データバンクの発表によると、中小・零細企業を中心に後継者難や代表者の高齢化が深刻化しており、倒産に至らないまでも事業継続を断念し、「休廃業・解散」を選択する企業が倒産企業の3倍弱で推移しているようです。

発表資料によると、2017年(1~12月)の「休廃業・解散」は2万4,400件。前年(2万4,957件)を557件(2.2%減)下まわり、2年ぶりの前年比減少となっています。しかし、「休廃業・解散」は「倒産」に対して2.9倍にのぼり、2倍を超えるのは8年連続となっています。

代表者年齢別件数・構成比ともに、前年に比べ「70代」と「80歳以上」の2区分で増加しており、「70代」以上が全体の40.0%以上を占め、高齢代表者の「休廃業・解散」が増加しています。

都道府県別にみると最も多かったのは「東京都」の2,815件。以下、「北海道」(1,408件)、「大阪府」(1,295件)、「愛知県」(1,238件)、「神奈川県」(1,163件)と続いており、企業数が比較的多い都市圏で「休廃業・解散」が多い状況に変わりはありません。

つづきは本誌2018年8月号でご購読下さい。

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