Interview

金属加工のシンクタンクを目指す

100社の企業と連携し、世界から受注する「VALUE Project」を立ち上げ

株式会社 井口一世 代表取締役 井口 一世 氏

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画像:金属加工のシンクタンクを目指す埼玉県所沢市にある㈱井口一世

㈱井口一世は、金属加工におけるシンクタンクを目指し、独自ノウハウを蓄積して、「金型レス加工」「切削レス加工」と呼ぶ超高精度の板金加工によるブランディング、企業価値向上に取り組んでいる。

経済産業省が地域経済を活性化するため、地域を牽引している「地域中核企業」を創出し、その成長を支援する事業助成制度「地域中核企業創出・支援事業」として2015年6月に認定されたモノづくり中小企業のネットワーク事業「VALUE Project」のリーダーとしても活躍する。

このプロジェクトは最終的に、国内の先進的・独創的な技術を備えたモノづくり企業100社が参画し、航空宇宙、医療機器など技術難易度の高い最先端の産業分野で、新たな価値を創造しようとするもので、構想段階から商品企画の具現化に取り組み、試作から量産、サービスパーツの供給まで、製品のライフサイクル全般をサポートする加工センターを目指す。

2015年に「株式会社なんとかなるNANTOKANARU CO.,LTD.)」を設立、数年以内に株式上場(IPO)を目指す。

これからの中小製造業のビジネスモデルについて井口一世社長に話をうかがった。

製造業ではなくIT企業

画像:金属加工のシンクタンクを目指す井口一世氏

―まずは70~80%の女性スタッフがスキルドエンジニアとして活躍できる仕組みはどうやってつくりあげられたのか、一番興味があります。

井口一世社長(以下、姓のみ) 例えばアマダはデジタル化を進め、展開図を入れれば曲げ順が表示され、そのとおりに曲げると一発で角度が出る。私が考えたのも同様の仕組みです。それをすべて3次元CADを使って、その操作を女性スタッフがやっているというだけです。

―どこで分断してバラしていくか、といった製造性を検証するプロセスも全自動で行うことができるのですか。

井口 当社は製造業というよりIT企業です。加盟している業界団体も、コンピュータシステム販売店協会と一般社団法人日本コンピュータソフトウェア協会です。社内にはSEもIT系のエンジニアもいて、彼らがシステムを開発しています。材料の属性や板厚によって伸び値も変わってきますし、金型や機械の属性、さらにさまざまな外乱によって精度がばらつきます。当社ではそうした外乱をできるだけなくすため、努力しています。

現場の彼女たちは、すごいものをつくっているとは意識していません。テーブルくらいのサイズの製品(3×1.5m)をつくると誤差は±2/100㎜くらい、平面度は±3/100くらい、A3くらいのサイズだと1000分台、曲げの誤差も±3分くらいは出せます。それだけの水準の加工を女性スタッフがボタンを押すだけでできるようにしている。それがうちの標準です。

  • 画像:金属加工のシンクタンクを目指す全社員の80%が女性社員
  • 画像:金属加工のシンクタンクを目指す世界中から仕事を集める「VALUE Project」の英語版のプロモーションビデオがYouTubeで公開されている

会社情報

会社名
株式会社 井口一世
代表取締役
井口 一世
本社
東京都千代田区飯田橋4-10-1
所沢事業所
埼玉県所沢市所沢新町2553-3
電話
04-2990-5400(所沢事業所)
設立
2001年
従業員数
37名(女性社員80%)
年商
78億円(2016年3月期)
主要事業
精密機器の部品製作・販売、精密機器の開発、ソフトウエア開発・販売、金型の設計・製作、金属プレス加工、板金加工、各種表面処理、各種熱処理、各種アセンブリー、工場コンサルティング、生産技術コンサルティング
URL
http://www.iguchi.ne.jp/

つづきは本誌2016年10月号でご購読下さい。

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