コネクティング工場を目指す創業20年の工場
ENSIS-AJ、HD-ATCの導入で生産性を改善
Metallforum Metallbau GmbH
①Jens Löchel(ジェニス ロウシェル)社長。同社で取り扱う製品を紹介する/②Metallforum Metallbau GmbHのブランク工程。ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(右奥)、レーザマシFO-3015NTⅡ(左奥)、パンチングマシンAC-2510NT(手前)/③同社で加工したステンレス製のダクト(左)とブランク材(右)
設備の自動化を推進し、多品種少量生産に対応
etallforum Metallbau GmbHを25歳で創業したJens Löchel(ジェニス ロウシェル)社長は、独立する前はドイツの大手電機メーカーAEG(アーエーゲー)社に勤め、板金筐体を製作する仕事に携わっていた。25歳で独立、NATO軍の英国陸軍が駐留していた基地が一部民間に払い下げられた時、倉庫だった建物を購入、板金加工のジョブショップを開業した。最初はブランク加工にパンチングマシンを使っていたが、2000年にアマダのレーザマシンQuattroを導入、2シフトで様々な仕事を受注するジョブショップへと発展していった。
Quattroを導入して以来、アマダの高い技術に裏づけされた高精度なマシンに魅力を感じ、2008年にパンチングマシンAC-2510NTを、2009年に制御盤関連の筐体から計量器などに使われる板金製品の加工を行うためにレーザマシンFO-3015NTⅡを、2011年にベンディングマシンHFP-2204LNT、2013年にHFE M2-5020などを次々と導入していった。
そして2015年にはファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ、自動金型交換装置(ATC)付きのベンディングマシンHD-1003NT+ATCを導入して、多品種少量生産に対応する設備の自動化を進めている。
STEPデータで受け取った製品モデルを3次元ソリッド板金CAD SheetWorksでバラシ・展開を行う
ENSIS-AJではステンレス・アルミ・真鍮を主に加工する
新規が70%、試作で力をつける
現在、同社の社員はインターンシップ中の職業訓練学校の生徒4名を含めて20名。主な得意先にはエレクトロニクス関連や情報通信関連の企業が多く、製品としては制御盤・操作盤関連の筐体、計量機器の板金製品の加工がメイン。
取引実績のある得意先はドイツ国内のみで200社。受注形態としては、塗装・組立までの一貫受注製品、コンポーネント・ユニット単位、単体部品レベルまで幅広い。
毎月の受注アイテム数は、受注の10%を占める完成品、ユニットや単体部品を含め、機種単位で200~250アイテム。新規品が70%、リピート品が30%となっており、試作品を含む新規品の割合が増加傾向になっている。
平均的なリードタイムは、単体部品が2~3日、ユニット・製品単位で10日から1カ月と、短納期化の傾向が強くなっている。平均ロットサイズは25個以下が多く、1~2個という極小ロット品にも柔軟に対応する。
年間売上高は2015年実績で250万ユーロ(約2億8,000万円)となっている。
左:2015年に導入したベンディングマシンHD-1003NT+ATC/右:高いスキルを備える溶接スタッフ。製品はステンレス製の試作品
会社情報
- 会社名
- Metallforum Metallbau GmbH
- 代表取締役
- Jens Löchel
- 住所
- Siemensstraße 16, D-31180 Giesen / Ahrbergen, Germany
- 電話
- +49-5066 / 69 38 69
- 設立
- 1996年
- 従業員数
- 20名
- 主要製品
- 制御盤・配電盤・操作盤、電子機器、計量機器、通信機器など
つづきは本誌2016年12月号でご購読下さい。