特集

平板・パイプ・形鋼加工の融合による付加価値創出

ファイバーレーザマシン2台を一挙更新 ― 中厚板・パイプ・形鋼の生産能力増強

「精密板金」×「製缶溶接」のハイブリッド対応を強みに発展

株式会社 芳三工業

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画像:ファイバーレーザマシン2台を一挙更新 ― 中厚板・パイプ・形鋼の生産能力増強「中田第2工場」に導入した平板・パイプ兼用レーザマシンENSIS-3015RIe(6kW・12段パレットチェンジャー仕様)。平板の加工速度は最大5倍、パイプ・形鋼は約1.5倍に向上し、電力使用量は77%削減した

中厚板・パイプ・形鋼の生産能力を増強 ― ファイバー化で電力使用量を77%削減

画像:ファイバーレーザマシン2台を一挙更新 ― 中厚板・パイプ・形鋼の生産能力増強製造技術部・鈴木弘修部長(左)と生産本部長・中田工場長の迫田裕昭取締役(右)

福島県三春町の㈱芳三工業は2024年12月、平板・パイプ兼用レーザマシンENSIS-3015RIe(6kW・12段パレットチェンジャー仕様)を導入した。

レーザ専門工場の「中田第2工場」で約10年間運用してきた平板・パイプ兼用CO2レーザマシンFO-MⅡRI 3015(4kW・10段パレットチェンジャー仕様)を、ENSIS-RIeへと更新した。併せて、同工場内のファイバーレーザマシンFLC-3015AJ(4kW)もENSIS-3015AJ(6kW)へと入れ替えた。中田第2工場のレーザマシン2台を一気に最新機種へ更新したことで、中厚板とパイプ・形鋼の加工能力を増強し、製缶溶接の機能強化をはかった。

ENSIS-RIeの加工速度は、更新前のFO-MⅡRIと比べ、平板で3~5倍、パイプ・形鋼で1.5倍に向上した。パレットチェンジャーが10段から12段に増えたことで、夜間を含む長時間連続運転の対応力も増した。また、CO2レーザからファイバーレーザへの置き換えにより、機械単体の月間電力使用量は約1万8,000kWhから約4,000kWhへと約77%減少した。中田第2工場を含む「中田工場」全体の月間電力使用量も、以前の6万5,000kWh超から5万kWhを切る水準まで低下した。

ファイバー化による劇的な省エネ効果は、ランニングコストの抑制にとどまらず、中小企業版SBTの目標達成へ向けた取り組みを強力に後押ししている。同社はSBT認証の取得にともない、2018年を基準年として、2030年までにScope1・2の温室効果ガス排出量を50%削減し、2040年までに73%削減する目標を掲げている。

迫田裕昭取締役(生産本部長・中田工場長)は「ENSIS-RIeを導入した最大の理由は省エネ効果です。板金業界では絶えず設備投資を続けていかなければすぐに陳腐化してしまいますが、中でもレーザマシンの進化は目覚ましく、従来機とは生産性と電力使用量が格段にちがいます。まだ社内にはCO2レーザ仕様の複合マシンが2台残っているので、これらも数年のうちにファイバーレーザに置き換えたいと考えています」と語っている。

画像:ファイバーレーザマシン2台を一挙更新 ― 中厚板・パイプ・形鋼の生産能力増強ENSIS-RIeで加工したパイプ・形鋼の加工品

「精密板金」×「製缶溶接」のハイブリッド対応

芳三工業は設立以来、「精密板金」と「製缶溶接」を融合したハイブリッド対応を強みに発展を遂げてきた。

同社は1971年に「橋本製作所」として創業し、1984年に板金・製缶部門を分離独立させるかたちで設立された。創業以来、地域社会への貢献と持続可能な企業体質の構築を基本方針に掲げ、地元採用を中心とした人材育成に注力してきた。社内では国家資格である工場板金技能士などの取得を強力に推し進め、特級合格者6名を筆頭に多くの有資格者を擁している。「製缶溶接」を支える溶接工は約20名在籍し、「福島県溶接技術競技会」では最高賞である会長賞をはじめ上位賞をたびたび受賞するなど、高度な技術・技能と品質の高さには定評がある。

こうした人材育成と並行して、積極的な設備投資を進めることで、「精密板金」と「製缶溶接」の両輪体制を強化してきた。2006年には板金加工に特化した「中田工場」を建設し、ワンフロアでの板金一貫生産体制を整備。2015年には、金属加工機械周辺装置などの部材加工ニーズに応えるため、中厚板およびパイプ・形鋼のレーザ加工に特化した「中田第2工場」を開設した。

現在は「本社工場」と「中田工場」の2拠点体制で、従業員数は96名(男性77名・女性19名)。ブランク工程は、パンチ・レーザ複合マシンACIESシリーズ3台で薄板の加工に対応し、「中田第2工場」では中厚板とパイプ・形鋼に対応する体制を採っている。

画像:ファイバーレーザマシン2台を一挙更新 ― 中厚板・パイプ・形鋼の生産能力増強左:「中田工場」のファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJ(手前)とパンチ・レーザ複合マシンACIES-2515T(奥)/右:「中田工場」の曲げ工程には5台のベンディングマシンが並ぶ

会社情報

会社名
株式会社 芳三工業
代表取締役
迫田 洋子
所在地
福島県田村郡三春町大字熊耳字山ノ内369
電話
0247-62-5105
設立
1984年
従業員数
96名
主要製品
金属加工機械周辺装置のカバー・フレーム、大型印刷機械のカバー・内部部品、空気圧縮機のカバー/通信機器用屋外筐体
URL
https://www.k-hosan.co.jp/

つづきは本誌2026年10月号でご購読下さい。

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