変化対応力と設備力で競争に打ち勝つ板金企業
建築金物の仕事が90% ― 徹底したこだわりで高いお客さま満足度を実現
ファイバーレーザ複合マシンの導入で稼働率が大きく改善
大阪ベンテック 株式会社
建材加工の仕事が主力
大阪ベンテック㈱は「あべのハルカス」や「東京スカイツリー」「関西国際空港施設」をはじめ、さまざまな超高層ビルや商業施設・教育施設などの外壁・内装部材、およびインフラ整備に用いる設備部品の設計・製作に携わる仕事がメイン。数年前からは鉄道車両外装部品や熱交換器用ドレンパンなど、一般産業機械分野の仕事も手がけるようになっている。
同社はシャーリングを使って鋼材を注文の寸法に切断し、切り板として販売する鋼材業として1972年に創業した。次第に下流工程の仕事にも手を広げるようになり、その過程で建築用ホーローパネルメーカーとの取引が始まった。当時、ホーローパネルは建築用パネルとしての需要が高まるようになっていた。
駒澤幸治会長は「加工といってもパネルの四辺を切って曲げる程度でしたが、ビルの内外装用建材としてデザインパネルの市場が拡大し、地下鉄の駅構内にも使われるようになり、大きく成長することができました」と語る。
これを契機に内外装パネルなどの建材加工の仕事を主力とするようになった。
前職での人脈やノウハウを駆使した販路開拓
大学を卒業した駒澤啓一郎社長はステンレスやブロンズ、真鍮などの銅合金、アルミ、チタンなどのさまざまな金属素材を駆使し、デザイン性のある建具や金属パネルを製造する国内有数の金属メーカーに就職。ゼネコンや建材商社などとの商談に関わるようになった。5年ほど公共施設や商業施設に使われる金属パネルの製作に関わり、知識と経験を積み重ねた。1995年からは家業の仕事を手伝うようになった。
「前職では5年ほど勤めても製作にはいっさい関わっていなかったので、家業に戻ってみると業務内容にかなりの差がありました。そこで、ものづくりを一から学ぶとともに、営業の仕事を通して得た人脈やノウハウを駆使して、建材商社などを通じた販路開拓に力を入れました」(駒澤社長)。
駒澤会長は「私はものづくりしか知らん人間なので、お客さまから言われたとおりの仕事をしてきましたが、社長は営業活動を通じてさまざまな経験をしてきたので、販路開拓で力を発揮してくれました」。
「そのような中で内装の曲げ物・金属パネルの製作を行うようになりました。さらにはサッシメーカーからサッシ周辺の金属パネルの引合いもいただくようになり、一貫して建築空間の創造をサポートする仕事が事業の中核になりました。振り返ると当社は人々に支えられ、育てていただいたおかげで今日までやってこられました」と語る。
人に恵まれ、人脈を広げ、仕事を伸ばしてきたという背景もあるが、その背景には同社のものづくりへのこだわり ― 特に品質・納期に対する徹底した取り組みがあり、それが得意先の高い満足度につながっている。
会社情報
- 会社名
- 大阪ベンテック 株式会社
- 代表取締役会長
- 駒澤 幸治
- 代表取締役社長
- 駒澤 啓一郎
- 所在地
- 大阪府東大阪市加納4-15-36(東大阪加納工業団地内)
- 電話
- 072-962-0013
- 設立
- 1972年
- 従業員数
- 60名
- 主要製品
- 外装パネル、幕板、笠木、庇、ファンコイルカバー、ダクトチャンバー、ほか各種建築金物、熱交換器用ドレンパン、鉄道車両内外装部品加工
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