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プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応

レーザとウォータージェットによる“切断”が魅力

有限会社 ホリエ

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画像:プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応①2011年に導入した同社初のパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(棚付き)/②③ブランク・曲げ加工後の製品。製品はすべて図面とセットになっている

自動車部と鉄工部を両輪に発展

画像:プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応代表取締役の渡部聡氏

ホリエグループはこれまで、自動車部と鉄工部を両輪に発展。現在は、自動車販売・整備を行う㈲堀江自動車整備工場(マツダオートザム堀江)、プレス加工を中心に量産品の生産に対応する堀江産業㈱、そしてレーザ・ウォータージェット切断を含む板金加工を中心に多品種少量生産に対応する㈲ホリエの3社で構成されている。

堀江自動車整備工場は1964年に設立された。1981年には民間車検指定工場となり、1989年にはマツダオートザムグループに加盟した。新車・中古車の販売、自動車整備、板金塗装といった自動車に関わる総合サービスと質の高い接客対応により、業績を伸ばしている。

堀江産業は、1971年に設立された渡部製作所をグループに吸収するかたちで1974年に設立。愛媛県内に事業所のある大手農業機械メーカー向けのプレス加工部品を中心に手がけるようになった。

1988年には、堀江産業内にレーザ事業部を発足。レーザマシンを順次導入し、精密板金加工のノウハウを蓄積していった。そして2000年、堀江産業から分離・独立するかたちでホリエを設立。レーザマシン3台体制にウォータージェットマシンを加え、素材を問わない切断能力を武器に、存在感を高めていった。

今では量産の堀江産業と多品種少量生産のホリエが、ホリエグループとして、それぞれ持ち味を発揮。量産から多品種少量生産まで幅広く対応でき、レーザマシンとウォータージェットの両方を保有しているために材料・板厚を問わず加工できることが大きな強みとなっている。

従業員数は、堀江自動車整備工場が6名、堀江産業が40名、ホリエが28名となっている。

  • 画像:プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応パンチングマシンVIPROS Z-358。PDC(自動金型交換装置)付き、自動材料供給装置付きの自動化セル
  • 画像:プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応曲げ工程の主力、ベンディングマシンHDS-8025NT

「社員の奮闘が業績を支えている」

堀江産業では、大手農機メーカーから受注するプレス・溶接の量産品が90%を占める。主な製品は、トラクターのステー、ブラケット、カバーなどとなっている。

ホリエでは、地元・愛媛の特産品であるミカンをはじめとする農産品の選別機をはじめ、消防ポンプ自動車、空調設備、船舶向け配電盤・制御盤・監視盤などを手がける。愛媛県内の得意先を中心に約50社と取引があり、そのうち主要得意先5社で売上全体の半分以上を占めている。

2代目経営者の渡部聡社長は同社の業績について次のように語っている。

「業績は順調に伸びています。それもこれも、忙しいときでも社員が一生懸命、残業対応でカバーしてくれているから。工場の生産能力は、受注する仕事量の上限をどこに設定するかによって変わってきます。社員が『忙しいのは嫌だ』『残業はしたくない』といえば、それがそのまま工場の生産能力の上限になってしまう。しかしそれだと、不況の時には仕事がまったくなくなってしまうことになる。場合によっては人員調整が必要になるし、最悪の場合は倒産しかねません。私は倒産が怖いし、人員調整をしたくないので、仕事があるときには無理をしてでも受注を獲得していこうと考えてきました。そうした努力で、不況のときにも“そこそこ”の仕事量を確保できる体制を構築してきました。そういう私の考えに共鳴し、ついてきてくれる社員が、当社にとって最も貴重な財産です」。

画像:プレスと板金の2事業体制で量産から多品種少量生産まで対応左:“モノを切る”ことに並々ならぬこだわりを持つ渡辺社長にとって念願だったウォータージェットマシン/右:溶接工程

会社概要

会社名
有限会社 ホリエ
代表取締役
渡部 聡
住所
愛媛県松山市東大栗町甲1070
電話
089-979-0825
設立
2000年
従業員数
28名(ホリエグループ80名)
事業内容
鉄・ステンレスなどの板金加工、レーザ加工、ウォータージェット加工
URL
http://www.horie-g.co.jp/

つづきは本誌2017年1月号でご購読下さい。

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