特集2

コンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-AJ導入事例

BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシン

「i-CAS」の活用で端材を100%生かす

有限会社 伊藤精工所

LINEで送る
Pocket

画像:BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシン左:BREVIS-AJのNC装置AMNC 3i(写真)の利便性は高い。特に、簡単に端材を活用できる端材板取り機能「i-CAS」の効果は大きかった/右:2021年11月に導入されたコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-AJ

創業から半世紀をむかえる

画像:BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシン東野耕作社長(左)と伊藤公一会長(右)

㈲伊藤精工所は1973年の創業からもうすぐ半世紀をむかえる。創業当初は一般製缶から始め、立体駐車場や半導体製造装置向けの部品加工の仕事をしながら仕事の幅を拡大。1990年に黎明期でまだ導入事例が少なかったレーザマシンを導入して以降は、徐々に板金加工に移行していった。当初は近在の得意先から仕事を受注していたが次第に愛媛県内や、県外の仕事も開拓。現在の取引口座数は60社以上、そのうち県外の割合は50%以上で、板金加工企業としての認知度は県内外に広がっている。

2006年には本社工場横の社有地に第2工場を建設して半導体製造装置部門を分離。2018年には当時工場長だった東野耕作氏が代表取締役社長に就任、伊藤公一代表取締役会長との二人三脚体制が生まれた。

伊藤会長は「今は板金加工企業として認知いただいている当社ですが、昔は小さな鉄骨やタンクなどもつくっていました。数社だったお客さまも今では60社以上に拡大、創業者の『悪いことはするな、嘘はつくな』という基本の教えを守り、お客さまのご要望に懸命に応えてきました」。

「25年ほど前には会社方針として2つのことを決めました。ひとつは経営理念『頼りにされお役に立てるよう真摯にお応えします』を定め、お客さまから一番最初に思い出していただける会社を目指しました。社員一人ひとりがそれぞれの持ち場で工夫を凝らし信頼を積み重ねる、そんな当たり前の行為を愚直に遂行してきました」。

「もうひとつは、会社ロゴの『Beam on』です。ビームには2つの意味があり、1つ目は『光』、つまりレーザビームのビームのことで、それが常にオン(仕事があること)の状態でありたいということを意味しています。そして2つ目は『梁』を意味しています。建物は柱と柱をつなぐ梁がなければ建っていられません。小さい会社であっても柱をつなぐ梁のような存在を目指そうと思いました。この方針に恥じないよう、これからもお客さまから必要とされる会社であり続けたいと思っています」と語っている。

半導体製造装置関連は右肩上がりに成長

得意先の中には、「イオン注入装置」で国内トップシェアを占めるメーカーもあり、同社もその仕事を受注している。イオン注入装置は帯電した原子や分子(イオン)をウエハーに高速で打ち込む装置で、ウエハーに半導体としての電気的特性を与えるために不可欠な装置といわれている。世界的な半導体不足の中、同社への発注も右肩上がりで推移している。

そのほか、四国の食品加工装置の自動機メーカーや、九州の設備材関連の自動機メーカーからの仕事も増える傾向にあり、2018年以降は高い操業状態で推移している。

  • 画像:BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシン3台のブランク加工マシンで発生した端材がBREVIS-AJのそばに材質・板厚別に立てかけられている
  • 画像:BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシンBREVIS-AJの「i-CAS」を活用して端材から切り出された製品

手のひらサイズの小物子部品を主体に受注

同社の営業方針は、セット受注するサプライヤーが嫌がるブラケットなどの小物子部品をまとめて受注すること。

「得意先によるサプライチェーンの見直しが進む中で、集中購買が進み、セットメーカーに注文書1枚で一式発注するケースが増えています。一式で発注される製品の中には手のひらサイズのさまざまな子部品があります。しかし、小ロットではこうした子部品の生産手配が行われていなかったり、工程途中で紛失して組立段階で発覚したりして、手戻りが発生するケースがしばしば発生します」。

「そこで、こうした小物子部品だけを当社でまとめて加工・納品する仕組みを提案しました。当社が製品単位で生産手配し、ブランク、曲げ、場合によっては溶接した後、検査してキズがつかないように包装して、お客さまごとに22㎏単位で段ボール箱に格納、宅配便で納品します。ロット、種類のある場合は段ボールに1点ずつ梱包して入れて封函後はパレットに載せ、混載のトラック便で出荷しています。こうした出荷作業の大半は女性社員が担当、中には85歳の女性社員もおり、現役で働いてくれています」(伊藤会長)。

同社で働く社員30名のうち、女性の割合は40%と高く、曲げ加工や仕上げ、検査、梱包の工程のほか、プログラム工程でも2名の女性社員が活躍している。

「当社ではその人その人に合った働き方を勧めています。遠距離通勤者は通勤時間を交通混雑の少ない時間帯にずらしたりできます。子育て中の女性社員には自分が働ける時間帯に働きたい時間だけ働いてもらう。もちろん緊急時には、子どもが最優先です。高齢の社員には体調と相談しながら働いてもらい、完全フレックスタイム制となっています。『ライフ・ワーク・バランス』『働き方改革』は難しいことではなく、仕事と生活につりあいを持たせ、性別や年齢を問わず誰もが働きやすい仕組みをつくることだと考えています」(伊藤会長)。

画像:BREVIS-AJは待ちに待った完成度の高いファイバーレーザマシン左:曲げ工程をはじめとして女性社員の姿が目立つ/右:曲げ工程には数多くの小物部品が曲げ加工を待っている

会社情報

会社名
有限会社 伊藤精工所
代表取締役会長
伊藤 公一
代表取締役社長
東野 耕作
所在地
愛媛県新居浜市多喜浜6-5-14
電話
0897-46-2246
設立
1979年(1973年創業)
従業員数
30名
主要事業
自動機械、半導体製造装置、各種産業機械向けの精密板金加工
URL
http://www.beamon.co.jp/

つづきは本誌2022年4月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集2記事一覧はこちらから