特集

新型コロナ・自然災害にも負けず奮闘する岡山県の板金企業

デジタル・IoT・AI活用でビジネスモデルを変革中

創業150周年企業、非鉄加工のプラットフォーマーを目指す

株式会社 クレスコ

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画像:デジタル・IoT・AI活用でビジネスモデルを変革中2018年に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJ+AS-2512NTK+ULS-2512NTK

創業150年の歴史ある企業

画像:デジタル・IoT・AI活用でビジネスモデルを変革中左から、森山和也製造部産業機械グループ課長、竹ノ下真一製造部長、川井雄之介社長、藤津貴司製造部精密鈑金グループ課長

今年、創業150周年をむかえる㈱クレスコは、1872年、東京・品川でガス灯のノズル製作を行う鉄工所として開業した。創業者の川井伝平氏は南部藩の藩士で、ドイツ人技師から旋盤の技術を学び、ドイツ製旋盤を導入した。同社製のガス灯ノズルは横浜に設置されたガス灯にも採用された。1930年には「㈱川井鐵工所」となり、1943年には得意先の住友通信工業㈱(現・NEC㈱)の工場が岡山市に移転したことにともなって川井鐵工所岡山工場を開設、無線通信機器の製造に携わった。

1945年には川井鐵工所児島工場を分社し、児島市赤崎(現・倉敷市児島赤崎)に「味野無線工業㈱」を創立、翌年に川井鐵工所を解散した。1950年には味野無線工業の本社を岡山市上石井に移転、金属プレス加工業に転換した。1954年には石油プラント関連で使われる「トレイ」のプレス加工を開始した。1959年には事業拡大で岡山市西古松に大元工場を建設、1960年に大元工場を本社とし、社名を「岡山プレス工業㈱」に変更、1970年に本社工場を現在地に移転した。

画像:デジタル・IoT・AI活用でビジネスモデルを変革中左:製造現場には工程進捗・実績情報が大型モニターに表示されている/右:曲げ工程。EG-4010×4台、HG-5020、HG-1303、HG-2203などを2017年以降に次々と導入した

だんだん強く ― crescendo(クレッシェンド)が社名の由来

「トレイ」の加工には、プレス加工と併せて多品種少量の穴あけが必要であることから国内で初めて米国・ストリピット社製のNCパンチプレスを導入した。1990年には事業発展にともない、社名を現在の㈱クレスコとした。当時は石油プラント業界としか取引がなく、度重なる不況で大きな打撃を受けていた。そこで事業多角化と経営安定化を目標に、音楽記号で「だんだん強く」を意味するcrescendo(クレッシェンド)に由来し、社名を「クレスコ」に変更した。

2000年からはリハビリ機器や介護用入浴機器などのOEM生産、2004年からは半導体製造装置の部品製作を開始した。2011年にはJIS Q 9100の認証を取得し、航空宇宙関連機器の部品の受注を開始した。2013年にはナカシマプロペラ㈱からエクステリア事業(IOS)の販売権の移譲を受け同事業にも進出した。

画像:デジタル・IoT・AI活用でビジネスモデルを変革中左:ファイバーレーザ溶接システムFLW-4000による計量器部品の溶接作業/右:デザイナーとコラボして製作した自社製品のクッキングガーデン用のテーブルとシェード

会社情報

会社名
株式会社 クレスコ
代表取締役
川井 雄之介
所在地
岡山県岡山市東区上道北方165
電話
086-279-1214
設立
1945年(1872年創業)
従業員数
68名(2022年1月時点)
主要事業
石油プラント装置、介護・医療機器、半導体・液晶製造装置、産業機械の設計・板金加工・製缶加工・切削加工・組立
URL
http://www.oka-cresco.co.jp/

つづきは本誌2022年2月号でご購読下さい。

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