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木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かす

住宅建材から洗車装置、工作機械まで幅広い板金製品に対応

株式会社 スルガ 亀山工場

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画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かすパンチングマシンが単体で5台並ぶ板金工場

住宅建材と梱包資材が両輪

画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かす前列左から鋼板事業部の望月謙二本部長、太田佳忠社長。後列左から鋼板事業部の吉田理部長、浦野幸弘亀山工場長

㈱スルガは、住宅建材製造と梱包資材製造を両輪として事業を発展させている。

住宅建材製造としては「木材部門」と「金属部門」があり、「木材部門」の拠点は大井川工場(静岡県)と茨城工場(茨城県)で、モルダー・ラッピング加工に関する豊富な経験を有している。大井川工場は1983年から、茨城工場は1991年から生産を開始。それぞれの生産ラインではさまざまな断面形状に素早く対応したモルダー・ラッピング加工により、住宅建築に必要な内装枠材、造作材、框材などを生産している。

「金属部門」の製造拠点は亀山工場(三重県)で、素材手配から最終製品までの一貫生産ラインを備え、最新設備と高度なノウハウで、オリジナル性にこだわった製品づくりを行っている。

梱包資材製造を手がける「物流パッケージ部門」の拠点は相模原工場(神奈川県)で、多彩な梱包資材を製作している。中でも、軽量ながら3~4トンの重量にも耐えられる超高強度段ボールは、過酷な環境変化や衝撃にも強く、世界主要42カ国の政府関係規格に適合し、輸出用梱包資材として最適。経済性にも優れ、環境負荷低減を考慮し、顧客ニーズに対応した梱包仕様を提案している。

亀山工場の誕生に至る経緯

同社のルーツは、創業者である望月澄男氏の父、望月嘉十氏が1917年に静岡県庵原郡蒲原町(現・静岡市清水区)で創立した「望月製材所」。望月製作所の東京営業所で木材販売を担当していた望月澄男氏は、1950年に都内で「駿河木材㈱」を設立。牛乳の通い箱、魚箱の製造を開始した。

1964年の東京五輪を契機に日本コカ・コーラ向けにボトリング用の木箱を製造。その後、段ボールケースの製造・販売を開始するのにともない、社名を「駿河製函㈱」に変更した。1973年にはミサワホーム向けの住宅パネル一貫製造工場を三重県に建設し、「鈴鹿ハウジング㈱」を設立した。

鈴鹿ハウジングは、1985年にスチール製品(マフラー、スチールボックス)、1986年にはスチール製住宅用部品の製造を開始。「住宅建材部門」「梱包資材部門」として生産品目を拡大した。1987年には駿河製函を「㈱スルガ」に社名変更するとともに、2007年には鈴鹿ハウジングを吸収合併し、「㈱スルガ 亀山工場」が誕生した。

幅広い製品を製造する亀山工場

亀山工場は主に住宅建材を手がける「金属部門」の中核工場として、住宅・建材・空調機器・配電盤・工作機械・産業機械などの各メーカー向け各種板金加工製品の設計から板金加工・溶接・組立・塗装・検査・梱包までを一貫して行う。従業員数は55名。同社の製造拠点の中では従業員数も出荷金額も最も多く、同社売上の1/3を占める主力工場となっている。

主要製品は住宅の切妻屋根の端部につけた鋼製破風 (はふ)、屋根の軒先に取り付ける鋼製鼻隠し、幕板、水切り、太陽光発電(PV)用関連部材、木製サッシ、鋼製ドア、住宅用フェンス部材、立体駐車場用パネル、クリーンルーム関連部材、空調機器、洗車装置、配電盤・制御盤、工作機械のカバーなど、多様な製品を取り扱っている。

抜き・曲げ・溶接・塗装・組立・検査・出荷の一貫生産による高品質な製品の提供が可能で、金属製の住宅建材は多彩なデザイン・バリエーションで顧客の幅広いニーズに対応する。

  • 画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かすアンコイラー、レベラー、スリッターでライン化されたスリッター加工ライン
  • 画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かすシャーリングマシンで切断したスケッチ材をパンチングマシンに手差しで供給し、加工する

金属製住宅建材のものづくり

太田佳忠社長は「金属製の住宅建材は規格品のリピート生産が基本ですが、1棟ごとに受注するので1オーダーのロットサイズは小さく、多品種少量生産となっています」。

「亀山工場は当初、ミサワホーム向けの金属建材を製作していた協力工場が廃業したため、その企業の板金加工設備を移管して使っていました。ベンディングマシンはアマダ、パンチングマシンは他社製のものを使っていました」。

「経年劣化などもあって設備更新を考えるようになり、使い勝手やサポートを考えるとパンチングマシンもアマダ製が良いと考え、1988年にPEGA-244、1990年にPEGA-367、1995年にPEGA-357、2013年にEM-2510NT、2016年にEM-2510MⅡを順次導入してきました」。

「曲げ工程には1985年から1989年まで、毎年1台ずつ旧・東洋工機の6mまでの曲げ加工に対応したベンディングマシンを導入。アマダのRG-50、RG-100L、RG-150、RG-154なども導入してきました。パネルは長尺製品が多いため、2016年と2017年には3mまでの曲げ加工に対応するHG-1303を1台ずつ導入しました」と語っている。

  • 画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かす曲げ工程のベンディングマシンHG-1303
  • 画像:木材・金属・物流パッケージの加工ノウハウを生かす梱包前の完成品ストアには0.3カ月分の在庫がある

会社情報

会社名
株式会社 スルガ
代表取締役
太田 佳忠
本社
東京都調布市布田1-50-1-701
亀山工場
三重県亀山市関町木崎1800
電話
0595-96-1555(亀山工場)
設立
1950年
従業員数
55名(グループ全社193名)
主要事業
住宅建材(木材部門、金属部門)・物流パッケージの製造
URL
http://www.suruga-corp.co.jp/

つづきは本誌2022年1月号でご購読下さい。

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