Sheet now

ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えた

「精密板金の駆け込み寺」「レーザ溶接の第一人者」としての地位を確立

細谷精機 株式会社

LINEで送る
Pocket

画像:ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えた①2019年6月に導入した2台目のファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISのティーチング作業/②FLW-ENSISで加工した通信機器の筐体

「精密板金事業」と「電子事業」の2本柱

画像:ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えた代表取締役社長の阿部詞男氏

細谷精機㈱は1947年に創業し、東京都内でカメラなどの光学機器部品の金属加工業者としてスタートした。1971年に横浜工場を新設し、精密板金業界に参入。1988年に電子事業部を設立し、それ以来、「精密板金事業」と「電子事業」の2本柱で発展してきた。

「電子事業」は、放送・通信産業向けに映像配信・通信の品質を左右するコネクタや電子フィルタを製造・販売してきた。電子フィルタは所沢事業所で生産していたが、今年6月に分社化したため、現在「電子事業」として手がける製品はコネクタ一本となっている。コネクタは、同軸ケーブルをはじめとするアナログ製品向けが中心だったため、デジタル化が進展してからは低迷していた。しかし、アナログ製品向け電子機器の市場でプレイヤーの明暗がはっきりしてきた今、デジタル化の波をくぐり抜けた同社の電子事業部は安定した業績を取り戻しつつある。

現在の主力は「精密板金事業」で、売上全体の90%弱を占める。2013年10月に6代目社長に就任した阿部詞男社長は、「電子事業」の生産体制をスリム化する一方で、「精密板金事業」は毎年のように大型設備投資を推進。従業員数はほとんど変わらないまま、業績を拡大し続けている。

画像:ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えた左:2018年に導入した同社初のファイバーレーザマシンFLC-3015AJ(シャトルテーブル仕様)。高反射材にも対応できることで、導入後は銅板を加工する仕事も増えつつある/右:2016年に導入した同社初のパンチ・レーザ複合マシンACIES-2512T(2連棚仕様)

「精密板金の駆け込み寺」の地位を確立

「精密板金事業」は、情報通信機器・放送機器の筐体・構成部品が40%程度を占めているが、それ以外は多種多様な分野・製品を手がける。平均ロットサイズは30~50個。材料は鋼板(SPCC・ボンデ・ジンコート)、ステンレス、アルミがおおよそ1/3ずつ。大手メーカーの研究開発部門向けに試作品も受注する。

得意先は100社以上。大手メーカーだけでなく、近隣のアセンブリーメーカーや同業他社からも多くの仕事を受注している。横浜地域は工場スペースに制約があるため、中小サプライヤー同士が得意分野の仕事を融通し合うネットワークが構築されている。そうした中で、来る者は拒まず、同業者からの相談にもいとわず対応する同社は、「精密板金の駆け込み寺」としての地位を確立している。

「そのおかげで、メーカー・異業種・同業者を問わず、いろいろなお客さまからお話をいただきますし、どんな仕事にもチャレンジします。初めての業種・製品・材料・お客さまでも、拒絶反応はありません」と阿部社長は語る。

  • 画像:ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えた曲げ工程。HD-8025NT(手前)、EG-6013(手前から2台目)などが並ぶ
  • 画像:ファイバーレーザ溶接が仕事の流れを変えたファイバーレーザ溶接機FLW-4000M3(手前)とFLW-3000ENSIS(奥)が並ぶ

全文掲載PDFはこちら全文掲載PDFはこちら

会社情報

会社名
細谷精機 株式会社
代表取締役社長
阿部 詞男
住所
神奈川県横浜市港北区新羽町1217
電話
045-531-0988
設立
1951年(1947年創業)
従業員数
41名
事業内容
精密板金事業/電子事業部(放送・通信産業向けコネクタの製造・販売)
URL
http://www.hosoyaseiki.co.jp/

つづきは本誌2019年10月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから