Interview

ビジネスプロセス短縮を第一に考える

顧客が求める価値に対応するビジネスモデルを構築する

株式会社 インスメタル 代表取締役社長 福井 英人 氏

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画像:ビジネスプロセス短縮を第一に考える本社・浦安工場のCADルーム

㈱インスメタルの社名とロゴマークには同社の企業理念がうたわれている。“インスメタル”とは、英語の「Inspire」(息吹)と「Metal」(金属)の合成語。シンボルマークの赤色は炉から出たばかりの新しいメタルを表し、真中の細い線はレーザ光をイメージしている。「この光を使ってあらゆる金属に思いを吹きこみ、いつもフレッシュな企業でありたい」という思いが込められている。

レーザジョブショップとして国内で五指に入る同社は、関東・東北圏の顧客1,000社以上の登録があり、毎月約750社から受注する多品種少量品を“レーザ加工のコンビニ”として短納期対応するために、毎年積極的な設備投資を行うことで生産能力を拡充、多様な顧客ニーズに対応している。

中・厚板の高品質切断から薄板の微細加工、セラミック、ガラスなどの脆性材料、次世代の材料として注目されるCFRPなどの切断に対応する幅広い設備力・技術力には定評があり、顧客からの信頼も厚い。公共事業―特に水門・小型鋼製ダム・除塵機などの受注が堅調に推移した結果、2016年度の売上は22億7,500万円を達成。2017年12月期もエネルギー関連―特に原子力発電所などの発電所向けトビラの受注が好調で、増収増益が見込まれている。

2004年に2代目社長に就任、今年54歳と脂がのった福井英人社長に最近の事業について話を伺った。

変化に対応するための設備・加工技術

画像:ビジネスプロセス短縮を第一に考える福井英人氏

―会社の沿革と受注動向について紹介してください。

福井英人社長(以下、姓のみ) 当社は薄鋼板、表面処理鋼板の切断、曲げ加工業としてスタ-ト。私が入社した翌年の1985年に先代の発案でレーザマシンを導入、レーザ加工の将来性を認めて、レーザジョブショップとしてのビジネスを始めました。そして1992年、創業30年の記念事業として、社名変更とレーザ専門工場の設立を目指し、翌年に千葉県八街市にレーザ専門工場を完成。同時に社名を㈱インスメタルに変更しました。

2003年、本社工場に3台目のパレットチェンジャーを備えたレーザマシンを導入、八街工場も含めて計8台のレーザマシン体制になりました。2009年には北海道標茶(しべちゃ)町にCADセンターを開設、現在は4名のプログラマが3次元CADでお客さまの図面から展開、プログラムを行うようになりました。

その後、2011年に八街市四木にレーザ溶接センター開設、トルンプ製レーザパンチの複合機やレーザ溶接ロボットを導入、従来の切削加工部品をレーザ溶接による積層溶接構造部品へ転換することにより、納期・単価の削減および部品の軽量化を提案するようになりました。

さらに、当社の協力工場として製缶加工をお願いしていた八街市内の工場を引き継ぎ、製缶加工センターを開設しました。また、商圏が東北に広がる中で2013年、宮城県仙台市に東北営業所を開設するとともに、2016年には営業所と併設してレーザ加工工場を開設しました。

現在の製造拠点は、浦安鉄鋼団地にある本社工場、千葉工場(八街市)、東北工場(仙台市)、レーザ溶接センター(八街市)、製缶加工センター(八街市)の5カ所になります。また、営業拠点も千葉営業所、神奈川営業所、東北営業所の3カ所になります。

1,000社のお客さまから受注する仕事として、最近は昭和30~40年代に設備された水門やダムなどの社会インフラ関係の装置が設置後50年以上経過し、大規模修繕が行われるようになり、関連した仕事が増えています。また、現在停止中の原子力発電所の設備関係の仕事が増えています。今後は廃炉ビジネスが盛んになると考えているので原発関連の仕事、また水素社会が訪れるにあたりその関連した仕事は注目しています。

切断する材料はSS材やステンレスのほか、アルミ・真鍮・チタンなど非鉄材料も増え、毎月400~500トンの材料を消費しています。板厚は、レーザマシンが高出力化することで、16㎜、19㎜、25㎜と厚板が増えるようになりました。さらにレーザ発振器もCO2からYAGレーザ、ファイバーレーザ、DDLへと変化、レーザ加工技術も多様化してきました。当社はそうした社会の変化に対応するための設備、加工技術を備えることで対応しています。

  • 画像:ビジネスプロセス短縮を第一に考える本社・浦安工場の第2工場の内部
  • 画像:ビジネスプロセス短縮を第一に考えるファイバーレーザマシンFOL-3015AJ+ASF-3015FOL

会社情報

会社名
株式会社 インスメタル
代表取締役社長
福井 英人
本社・浦安工場
千葉県浦安市鉄鋼通り1-7-1
電話
047-355-6511(本社・浦安工場)
設立
1967年(1962年創業)
従業員数
125名
URL
http://www.insmetal.co.jp/

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つづきは本誌2017年10月号でご購読下さい。

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