Sheet now

環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める

FOL-AJ 導入で消費電力を削減、生産性も改善

株式会社 イング

LINEで送る
Pocket

画像:環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める今年1月に導入したファイバーレーザマシンFOL-3015AJ+MPL-3015L

特殊車両メーカーのNC機械部門から独立

画像:環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める福本修一社長

同社は1963年に特殊車両の製造販売を目的に創業された㈱福本ボデー(社長・福本修一氏、会社設立は1976年)のNC機械部門が独立し、1995年に設立された。

福本ボデーは基本構成パーツから自社で“一から開発・設計”できることを強みとし、独自開発の操舵システムを組み込んだ電動運搬車両や、インホイールモーターを採用した環境対応車両など、特に特殊車両の分野において顧客要求に“ジャストフィット”した製品を提供してきた。

特殊車両に使う板金部品を自前で加工するために、1979年にパンチングマシンCOMA-557を導入。翌年からは社外の仕事も開拓。1983年にCOMA-567をマニプレーター付きで導入、自動ライン化したのを契機にNC機械部として、さらに外部の仕事を取り込む営業活動を強化していった。

1988年にレーザマシンLC-667Uを導入し、特殊車両部品として使われる中板の加工分野にも参入。1991年にはパンチング自動化ラインを導入した。そして1995年に㈱イングを設立、翌年には福本ボデーNC機械部の事業を引き継ぎ、営業を開始した。

  • 画像:環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める事務所には受注から集荷までを得意先別に管理する専任の女性スタッフ7 名が在籍。各人が進捗・実績管理を行う
  • 画像:環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める3次元ソリッド板金CAD Sheet Worksによる製品のモデリング

建機クレーン関連の仕事が中心

福本修一社長は同社の設立経緯から現在に至るまでの業況について、次のように語る。

「もともとは福本ボデーの特殊車両に使う板金部品の製造を手がける会社としてスタートしましたが、外販を強化する中で、今では売上に占める福本ボデーの仕事の割合は5%弱になり、外販で受注した案件が大半を占めます。受託加工は建機クレーン関連部材が70~80%を占めています。建機クレーンは国内主要3社から仕事をいただいており、その中の1社だけで売上の50%弱を占め、船舶や造船所で使うクレーン部材も受注しています。得意先の口座数は約40社で、県内・県外が半々ですが、売上で見ると県外が80%を占めています」。

「建設機械業界は、外需は中国を中心に減速していますが、内需は震災復興や2020年の東京五輪開催、国土強靭化に対応した社会インフラの大規模修繕向けなどが好調です。その結果、今後2年ほどは横ばいもしくは1~2%の微増が見込まれ、中でも建機クレーンは順調です」。

「造船関連も新造船の受注が活発で、年度内の落ち込みは少ないと思います。しかし、メーカーの生産計画は慎重で、内示でも半年先までしかわかりません。計画も大きく変動するため、確定受注からの生産手配となります。確定受注から出荷までのリードタイムは2週間なので生産計画が肝要です」。

「クレーンの1機種あたりのオーダー単位は1台、多くても5~6台です。受注生産対応で、同じ品番の発注が分割で行われ、短サイクル化が進んでいます。部品点数の多いものは1機種で数百点の部品があり、それらをジャスト・イン・タイムで納品するためには、生産管理が重要です。そこで当社は2004年にアマダの生産管理システムAPC21を導入しました」。

画像:環境負荷低減に貢献しながら、製造工程の自動化を進める左:5台のネットワーク対応型ベンディングマシンが稼働する曲げ加工エリア/右:製品を板厚ごとに分類したあとは、配膳担当が台車で次工程に供給する

会社概要

会社名
株式会社 イング
代表取締役
福本 修一
本社
香川県三豊市高瀬町下麻1064-1
西岡工場
香川県三豊市高瀬町上麻203-1
岡重工場
香川県三豊市高瀬町上麻3358-3
電話
0875-74-6831(本社)
0875-74-8051(西岡工場)
設立
1995年
従業員数
55名
主要事業
ブランク加工・曲げ加工を中心とした精密板金加工
URL
http://www.ing-kk.co.jp/

つづきは本誌2015年12月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから