“職人気質”を原点とし、“創業の志”を胸に、たしかな製品づくり
環境負荷低減に積極的
株式会社 山宝
手前からレーザマシンLC-1212αⅣNT、パンチ・レーザ複合マシンLC-1212C1NT、パンチングマシンEM-255NT+ASR-44M
“職人気質”を原点に顧客満足度を改善
市野晴基専務
㈱山宝は1954年、名古屋市東区筒井町でプレス加工業、㈱山寶製作所として設立。1977年頃から工作機械関連の板金加工へシフト。1988年に名古屋市緑区鳴海町内に工場を移転、工作機械の制御装置関連に使われるボックス、シャシー、ケースから機械カバーなどを手がける。
2003年に㈱山宝に社名変更し、翌年、現住所に移転。経営理念「長年培ってきた技術と経験を生かし顧客の満足と社会の信頼を得られるように継続的改善に努める」を掲げ、「精度」を追求、創業以来のノウハウを生かし、付加価値の高い仕事に挑戦してきた。
2011年には生産管理システムWILLを導入、市野晴基専務が中心となって工場内ネットワークシステムを構築し、板金工場のデジタル化を推進してきた。
今年44歳の市野専務は「多様化する社会の急速な変化に対応して、常に新たなニーズが生まれ続けています。社会のデジタル化はますます加速し、その渦中で本来のモノづくりの基本を見失いつつあるように感じています。当社は日本の生産技術を支えてきた“職人気質”を原点に、“創業の志”をもって、たしかな製品づくりに努め、お客さま満足度の改善に取り組まなければいけないと考えています」と語っている。
愛知県名古屋市にある㈱山宝
ネットワーク対応型のベンディングマシンが並ぶ
インフラ関連の仕事を開拓
最近の受注状況をみると、工作機械・産業用機械に使われる制御盤などの筐体関連の仕事が売上全体の60%を占める。そのほか、パーキングメーター・コインパーキング、救急車・消防車といった特装車関連など新たな業種の仕事も増えている。
「当初は工作機械関連の仕事が売上の半分以上を占めていましたが、設備投資の先行指標といわれる工作機械業界は受注の変動が激しいため、先が読めない。そこで、これまで現場で加工に携わってきたベテラン社員の土屋正彦営業部長と小島祥嗣統括部長の3名で営業開拓するようになりました」。
「『こんにちは』だけの御用聞きではなく、お客さまのご要望を詳細に聞き、最適な提案でお客さま満足度の改善に努力してきました。そうした努力が少しずつ実を結び、新規の受注が増え、それに反して工作機械関連は売上全体の30%程度にまで減少しています。新規得意先が増え、得意先社数はこの5年で40社ほどになり、売上も20%ほど増えました。これからは景気の影響を受けにくい社会インフラ関連需要の開拓に力を入れていきたい」と、市野専務は現況と課題を述べている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 山宝
- 代表取締役
- 市野 文俊
- 住所
- 愛知県名古屋市緑区鳴海町長田18
- 電話
- 052-896-8556
- 設立
- 1954年
- 従業員数
- 28名
- 主要業種
- 工作機械・産業用機械・医療機器などの板金製品
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