2代つづけてJMCを受講
トヨタ車体のティア1・試作メーカー
株式会社 三立 専務取締役 佐伯 竜治 氏
JMC受講は「不安を消すため」
佐伯竜治氏
㈱三立の野村勝実社長と佐伯竜治専務は、2代つづけて職業訓練法人アマダスクール主催のJMC(経営後継者育成講座)を受講。どちらも娘婿というのも珍しい。
野村社長は現在64歳、京都府福知山市出身。高校卒業後にトヨタ車体の品質保証部に入社し、22歳で三立・野村幸司現会長の長女と結婚。その後、27歳で9年間勤めたトヨタ車体を退職し、三立(当時は三立工業㈲)に入社。入社直後にJMC(13期・1979年)を受講した。
JMC受講の目的について、野村社長は「不安を消すため」と振り返る。
「30年以上前のことなので、よく覚えていませんが、入社直後、アマダが配っていた手帳か何かにJMCの案内が載っていたのを見て、私から会長(当時社長)に受講したいと話しました。私は娘婿で、以前はサラリーマン。生粋の2世社長のように父親の背中を見て育ったわけではなく、経営者の役割も十分わかっていません。入社したてで、実務に携わってもわからないことだらけ。ここはJMCのようなところで一度、総合的に勉強する必要があると考えました」。
代表取締役社長の野村勝実氏。1979年にJMC・13期を受講している
「JMCを受講したことで何かが解決したかというと、具体的には思い当たりません。しかし、経営者として能力の底上げにつながったのはたしかです。JMCから戻ってきてからも、『そういえばこういうことを勉強したな』と思い当たったり、研修内容のファイルを読み返したりすることはよくありました」。
「今のJMCとはカリキュラムがちがうと思いますが、私が受講したときは、モノづくりの実務で知っておきたいことを重点的に教えてもらいました。マネジメントの前に、例えば『物流も含めて“材料”はどういう風に供給されるのか』のように、『モノを買ってつくって売るとはどういうことか』といったモノづくりの基礎を教わりました。非常に実学的な研修内容で、講座が終わってからも何度も内容を振り返りました。また、JMC受講を機に、その後も各種経営セミナーを受講し、異業種交流に参画するなど、勉強を続けています」(野村社長)。
2代つづけてJMCを受講
佐伯専務は現在39歳、大学を卒業後、刈谷市内の自動車部品メーカー(ティア2)に8年間勤務、生産技術や試作などを担当した。2006年、野村社長の三女との結婚を機に㈱三立に入社。野村社長と同様、入社直後にJMC(97期・2006年)を受講した。
野村社長は「私とよく似た境遇ですから、気持ちは想像できます。これまでサラリーマンとしてやってきた、社長の背中も見たことがない、経営者ってどうすればいいの?そんな不安な気持ちでいるのではないかと思ってJMCの受講を勧めました」と語っている。
佐伯専務は「入社当初は、経営者って何をするんだろう、という漠然とした不安でいっぱいでした。そんなときに社長から『こういうところがあるんだが、どうする?』とJMCを紹介してもらい、『ぜひ行かせてください』とお願いしました」
「私が参加した97期は、受講生が11人と多く、地域もばらばらで、年齢も20代から50代までいて、バラエティーに富んでいました。私は経営者の息子として育ったわけではありませんから、いろんな年代の事業継承者の方と交流を持てたのは貴重な体験でした」。
「修了後は社長と同じように、JMCで学んだことが手がかりになって、何かあるたびに『JMCで誰かがこんな話をしていたな』とか『こんな資料があったな』と思い出すことがよくあります」と語っている。
左:福祉車両の小ロット量産品/右:カウルトップのアッシー
会社情報
- 会社名
- 株式会社 三立
- 代表取締役会長
- 野村 幸司
- 代表取締役社長
- 野村 勝実
- 専務取締役
- 佐伯 竜治
- 住所
- 愛知県刈谷市一色町3-7-11
- 電話
- 0566-21-2143
- 設立
- 1959年
- 従業員数
- 47名
- 事業内容
- 自動車試作部品・福祉車両部品・自動車カスタマイズパーツ・航空関連部品・介護機器の製造
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