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「2024国際ウエルディングショー」開催

深刻化する人手不足・職人不足へ向けた溶接自動化ソリューションが集結

多品種少量生産でのロボット活用を後押しする「ティーチングレス」にも注目

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8年ぶりの大阪開催―来場者数10万人超え

「2024国際ウエルディングショー」が4月24日から27日までの4日間、インテックス大阪で開催された。主催は一般社団法人日本溶接協会と産報出版株式会社。大阪での開催は2016年以来8年ぶりとなる。出展者は270社を超え、会期中の来場者数は延べ10万307人(2016年比12.8%増)。そのうち4,086人が海外からの来場者だった。

「自動化・スキルレス化」の提案が目立つ

溶接工程の人手不足・職人不足がますます深刻化する中、2022年に東京で開催された前回以上に「自動化・スキルレス化」の提案が目立った。産業用ロボット・協働ロボットを採用した自動溶接ソリューションの出展が多く、中でも溶接機と手軽に組み合わせられる協働ロボット―特にファナックの「CRX」シリーズを採用したシステムが目立った。

ロボット化の障壁となっていたティーチング作業については、CAMによるオフラインティーチング、協働ロボットのダイレクトティーチング、3DスキャナやAIを用いた自動経路生成・自動補正システムなどの提案が見られ、多品種少量生産・変種変量生産を特徴とする板金加工・製缶の分野でも活用できる可能性が示された。

また、今回は把握できただけで20社ちかくの出展者がファイバーレーザ溶接機を出展していた。新興メーカーや商社が、中国メーカー製発振器を搭載したファイバーレーザ溶接機や、協働ロボットと組み合わせた溶接ロボットシステムを出展するケースが多かった。

  • 画像:深刻化する人手不足・職人不足へ向けた溶接自動化ソリューションが集結リンクウィズは3Dスキャナでワーク形状を認識し、溶接パスを自動生成する「L-ROBOT」を提案
  • 画像:深刻化する人手不足・職人不足へ向けた溶接自動化ソリューションが集結ファナックはSERVO-ROBOTの自動教示システムを組み込んだ「自動経路生成ソリューション」を提案

ファイバーレーザ溶接システム3機種などを出展 ― 銅の加工に適したブルーレーザ搭載機も

アマダは、ロットサイズやリピート率などの生産内容に合わせたファイバーレーザ溶接システム3機種を出展した。

ハイエンドマシンの「FLW-6000ENSISe」(最大出力6kW)は、AI搭載の新補正機能「AI-TAS」や「自動ノズルギャップ調整」によって自動化に貢献。板金エンジニアリングシステム「VPSS 4ie WELD」によるプログラム作成と「AI-TAS」の併用によって、ティーチングペンダントをほとんど使用しないティーチングレス運用が可能になる。同機は「2023年度日本溶接協会賞」の「技術賞・本賞」と「溶接注目発明賞」をダブル受賞した。

「FLW-3000Le」は25㎏可搬ロボットとオリジナル加工ヘッドによりシステム全体を軽量化し、設置面積を従来機比で約35%減少した。会場では、「VPSS 4ie」上でひとつの製品に対して行った溶接線の割付を並列・放射状にコピーし、多数個生産を行う実演を行った。

「FLW-1500MT+CR」は、ハンディファイバーレーザ溶接機に協働ロボットを実装することで用途に応じたフレキシブルな使い分けが可能。試作品や単品は手動で溶接し、小物・単純形状のリピート品は協働ロボットに溶接トーチを持たせ、ダイレクトティーチングを行って自動で溶接する。

3次元レーザ統合システム「ALCIS-1008e」は、高出力4kWブルーレーザ発振器と自社製ファイバーレーザ発振器を搭載し、切断・溶接・積層造形に対応する。今回はスキャナー加工と軸移動を同期するオンザフライ制御方式による実演加工を行い、EVモーター用平角銅線のヘアピン溶接に最適化した加工システムとして提案。加工中の状態をセンシングするレーザウエルドモニター「MM-L400A」をビルトインし、リアルタイムに良否判定を行って不良流出を防ぐ。

事務所・プログラム室・製造現場をリアルタイムでつなぎ、最適なものづくりをサポートする製造DXソリューション「LIVLOTS」なども出展した。

画像:深刻化する人手不足・職人不足へ向けた溶接自動化ソリューションが集結左:アマダのファイバーレーザ溶接システム「FLW-6000ENSISe」。新補正機能「AI-TAS」や「自動ノズルギャップ調整」で自動化に貢献する/中:FLW-3000Le」の設置面積は従来機比で約35%減少。多数個生産の実演を行った/右:「FLW-1500MT+CR」は協働ロボットを実装し、自動と手動をフレキシブルに使い分けられる

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