特集

都市型板金工場の必需品 ― BREVIS-AJ導入事例

レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入

薄板から厚板まで対応するオールラウンドマシンBREVIS-AJ

株式会社 タマリ工業

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画像:レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入2022年5月に4´×8´リポジショニング仕様で導入したコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ

レーザシステムインテグレーターとして発展

画像:レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入レーザ製造部機械加工課の稲葉壮佑課長(左)と、蟹利廣係長(右)

㈱タマリ工業は、1978年に下玉利浩一氏が愛知県碧南市で配管工場として創業。1986年に西尾市米津町で機械製造・販売会社の㈱タマリ工業として設立した。

2000年には2代目社長に下玉利淳也氏が就任。2006年には「ニーズにあったレーザアプリケーションを提案する」を方針として掲げ、レーザ加工機の設計・製造・販売を開始した。拡販のため、いろいろなレーザ発振器・加工機を加工ラボ用として整備し、各種レーザ加工機の製造・販売の促進をはかるようになった。2010年にはレーザ応用製品ラインアップ拡充のため、微細加工用としてピコ秒レーザを社内ラボ用に開発。2012年以降は出力6kWのファイバーレーザ発振器や低出力レーザ発振器、光学系を増強し、各種レーザ加工装置を増産した。

2014年には現在地に新本社工場を建設し、2015年には超微細加工用ラボ用試験装置としてフェムト秒レーザ発振器を設置して、レーザ加工システムの受注拡大に注力した。自動車業界向けを中心にレーザに関する生産設備の設計・製作において高い技術力を備えるようになった。

2017年には工作機械、省人・省力化機械、FMS関連、液晶関連の開発・製造を行う新潟市内の㈱シンテック、制御盤の設計・製作から生産ラインの制御システムの設計やソフトウエア開発する浜松市内の㈱テクノシステムを子会社化した。

2019年にナ・デックスグループに入る

2019年には自動車業界を中心に産業機器や電子部品などを販売する商社機能と、溶接制御機器などのメーカー機能を併せ持つ㈱ナ・デックスが、2社の関連会社を含め、グループ統合した。ナ・デックスグループは自動車業界を中心に、製販一体の事業を展開する中、技術力とメーカー機能を強化し、トータルソリューションを提供している。そこで、レーザを応用した生産設備の設計・製作において高い技術力を持ち、システムインテグレーターとしての機能を備えるタマリ工業をグループ化することで、シナジー創出をはかった。また、FAシステム事業と有機的に連携させることで、提供価値を向上できると判断した。

2023年4月には、ナ・デックスグループで工場省力化機械・各種産業機械の設計・製作を行う尼崎市のイシコテック㈱をグループ内統合。同社は設計から組立、検査、据付、メンテナンスまでの体制を整えており、ナ・デックスグループにとっても体制強化となる。

  • 画像:レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入i-CASで端材に板取りを行う。BREVIS-AJの操作は蟹係長と品質保証課の女性社員が担当している
  • 画像:レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入BREVIS-AJは3kW発振器を搭載しており、薄板から厚板まで対応できる。レーザ専用マシン周辺装置に使う厚板切断にも対応する

BREVIS-AJを導入 ― 大型カバー用に4´×8´リポジショニング仕様を選択

タマリ工業のレーザ製造部の板金加工工場に2022年5月に導入されたのがコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJだ。導入の経緯について、レーザ製造部機械加工課の稲葉壮佑課長は次のように説明している。

「タマリ工業はグループのシステムインテグレーターとして、お客さまのご要望に対応したレーザ専用機を製作しています。本体だけでなく、製品の取り付け・取り外しをする装置も含めてさまざまな周辺装置があります。最近は産業用ロボットを組み込むラインも多く、ロボットの周辺機器にも対応しています。設計部門は、基本設計だけでなく、機構設計、部品設計なども行っています」。

「装置・ラインに必要な機械加工部品、板金加工部品の製作を担当するのがわれわれ機械加工課です。大型の専用装置の場合は、周辺装置を含めると1,000点以上、通常でも500~600点の部品を加工します。このうち板金部品が占める割合は約20%で、100~200点になります。材質はSPCC・SPHC・SECCの板厚1.2~2.3㎜が多く、ブラケット類には3.2~19㎜まで使用します。これらの部品の約90%を当社で製作しています」。

「これまで使用してきた5´×10´仕様のCO2レーザマシンが更新時期をむかえ、工場が手狭なので省スペースでコンパクトなレーザマシンを探していました。そこにBREVIS-1212AJが発表され、アマダの担当者の話を聞いてからアマダ・中部サテライトセンターで実機デモを見学、すぐに導入を決意しました。デモ機は4´×4´仕様でしたが、当社は大型の機械カバーを加工することもあるため、4´×8´仕様がほしかった。諦めかけていたところへBREVIS-AJの4´×8´リポジショニング仕様が発表され、愛知県内1号機として導入することになりました」。

画像:レーザ加工専用機カバー製作の内製化設備として導入左:展開図・立体姿図をネットワーク対応型のベンディングマシンで呼び出し、すぐに曲げ加工する/右:機械加工課にはマシニングセンタなどの工作機械も並ぶ

会社情報

会社名
株式会社 タマリ工業
代表取締役
下玉利 淳也
所在地
愛知県西尾市米津町五郎田1-1
電話
0563-57-1171
設立
1986年
従業員数
90名
主要事業
レーザ加工システムの設計・製造/レーザ周辺機器の販売/テスト加工・受託加工
URL
http://www.tamari.co.jp/

つづきは本誌2023年8月号でご購読下さい。

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