順送ライン・ロボットラインで 計8台のサーボプレスを活用
「三協グループ」のメーカー機能を一手に担う/自動車ボディ関係のプレス部品・アセンブリー製品がメイン
株式会社 リバース
1~2工程目にサーボプレスSDE-2025を配置した最大5工程の2軸ロボットライン。モーション制御により絞り加工の品質安定化を実現した
三協グループのメーカー機能を一手に担う
㈱リバースの酒井誠治取締役(左)と川治功征次長(右)
㈱リバースは、自動車部品を中心に取り扱う三協グループでメーカー機能を一手に担い、金属プレス部品の加工・アセンブリーを手がけている。
三協グループは国内6社・海外2社で構成される企業グループで、ゴム製品や合成樹脂製品などを取り扱い自動車産業をサポートする総合テクノロジー商社の「三協㈱」、主に自動車産業向けに金属プレス部品の設計・製造とアセンブリーを手がける「㈱リバース」、道路舗装機械など特殊作業車の完成品メーカーである「㈱三協メカニック」、製品の保管・加工・輸送・JIT納品に対応する「㈱サムトランスポート」などがある。グループ従業員総数は550名超、グループ売上高は410億円(2019年3月期)となっている。
リバースは、大手自動車メーカーの1次サプライヤーとして、売上全体の80~85%を自動車部品が占め、そのほか15~20%が建築関係、住宅設備関係となっている。工程設計から金型の製作、プレス加工、溶接、品質管理まで一貫した独自生産システムを構築し、多品種・短納期・高品質の要請にも積極的に対応。また、自動車メーカーとの濃密なパートナーシップにより、ジャストインタイムの納入体制を実現している。2010年にはタイへ工場進出し、THAI REBIRTH CO.,LTD.を設立、海外市場のニーズにも対応している。
酒井誠治取締役は「現在、リバースの売上高は三協グループ全体の1/4程度を占めています。グループの中長期的な方針として、メーカー機能―製造部門であるリバースのウエイトを高めていきたいと考えています」と語っている。
最大5工程の多関節ロボットライン
シャトル式の供給装置を設置し、ライン稼働中にブランク材の段取りができる
ボディ関係のプレス部品・アセンブリー製品が主
リバースが手がける自動車部品は、ボディ関係を中心とした「金属プレス部品」が約40%、同じくボディ関係とエンジン周辺の「アセンブリー製品」が約60%を占める。
「金属プレス部品」は、ドアまわりの子部品や、テールゲート・フードロックなどボディ関係の付属部品が多い。「アセンブリー製品」は、フロントサイトメンバー、バックボーンリーンフォース、センターサイドメンバーなどのアンダーボディ製品や、エンジンマウントなどを手がけている。
プレス工程には、同社が「中型」と呼ぶ600トンリンクプレス+400トンクランクプレス3台のタンデムラインを2ライン設備しているほか、プレスロボットラインを2ライン(2軸ロボット搬送タイプと多関節ロボット搬送タイプ)、順送ラインを多数導入。プレスロボットラインで加工する製品は約50アイテム、順送ラインで加工する製品は数百アイテムにおよぶ。加工する材料は、一般的な自動車鋼板、高耐食性めっき鋼板のほか、高張力鋼板の割合も高まっており、板厚は0.6~6.0㎜に対応している。
アセンブリーラインには多関節ロボット溶接システムを多数導入し、自動化・省人化を推進。社内で生産する小型~中型のプレス部品のほか、得意先から支給される中型~大型プレス部品、ゴム部品、樹脂部品などを組み合わせたユニット製品として納品している。
2軸ロボットラインで加工したフィラーネック。サーボプレスの「パルス1モーション」や低速・停止モーションを活用し、割れの発生を回避した
アセンブリー工程は多関節ロボットを多数導入し、自動化・無人化を進めている
会社情報
- 会社名
- 株式会社 リバース
- 代表取締役
- 早川 紀郎
- 住所
- 愛知県小牧市大字下末字狩山戸1648-1
- 電話
- 0568-74-4320
- 設立
- 1965年
- 従業員数
- 153名
- 事業内容
- 自動車部品・住宅設備部品の製造、SAMブランド製造、自社開発製品の製造
- URL
- https://www.sankyo-group.jp/
(三協グループ)
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