精密板金加工の一部を台湾企業と協業
「藍色アルミニウム」を開発 ― 精密板金への応用も模索
株式会社 長尾製作所
①自然藍に含まれる色素を配合した染料で着色した「藍色アルミニウム」を素材とした精密板金製品を開発。「INDIGO METAL」というブランドでPRしている(写真は「国際航空宇宙展2018東京」の㈱長尾製作所の出展ブース)/②「INDIGO METAL」を用いた高級万年筆。1本5万円で、すでに500本を完売した
半導体製造装置向けが約半分を占める
長尾浩司社長(右)と小手川弘芳工場長(左)
㈱長尾製作所は1977年、㈲長尾木工所として創業された。当時は冷蔵庫の木枠をつくる木工所だったが、時代の変化に対応し、1983年に板金工場棟を増設。タレットパンチプレスの1号機を導入して、精密板金加工業へとシフトした。
1991年に㈱長尾製作所へと株式改組。2000年には現在の大分県佐伯市堅田に新工場を建設・移転した。2004年にはISO9001の認証を取得した。
仕事量の約半分を占める半導体製造装置は受注の変動幅が大きいために、新しい業種・得意先の開拓に取り組み、平準化を目指した。その成果として、現在では鉄道車両関連と食品機械がそれぞれ売上全体の10%程度を占めている。
また、2015年からはベトナム人の外国人技能実習生 ― 男性11名、女性6名を受け入れている。2019年末時点の従業員数は、派遣社員と技能実習生を含めて140名となっている。
曲げ工程には10台以上のベンディングマシンが並び、長尺製品から小物まで幅広く対応する
溶接ブースが並ぶ溶接工程
「お客様に喜ばれ、愛されるものづくり」
同社の社是は「我々は、いつの時代においても、お客様に喜ばれ、愛されるものづくりを実践することにより、会社の永続的な発展を計り、社会に貢献し続けることを目的とする」。
長尾浩司社長は「私は創業以来、お客さまのために何ができるのかを正確に捉え、会社のしくみでそれを実現する。その繰り返しの中で社員一人ひとりの成長を期待し、“感謝”と“貢献”を会得させることを基本理念としてきました。その成果が現在の長尾製作所の姿です」と語っている。
溶接が終了した製品
精密板金加工の一部を台湾の板金サプライヤーと協業。写真は、通関を済ませて納品された台湾製の板金部品
会社情報
- 会社名
- 株式会社 長尾製作所
- 代表取締役社長
- 長尾 浩司
- 住所
- 大分県佐伯市堅田2134-24
- 電話
- 0972-25-1200
- 設立
- 1977年
- 従業員数
- 140名
- 事業内容
- 半導体・FPD製造装置部品、食品加工機器部品、鉄道車両関連、産業用コンピュータ関連、通信機器関連、物流設備関連、建設・防災設備関連部品の板金加工
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