そこが聞きたい ― 税の話

事業承継税制(2)

税理士 毛塚勝貴

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1.事業承継税制のメリット

事業承継税制のメリット(もしくは目的とも言えますが)は、相続税・贈与税の納税の猶予を受けつつ、最終的には、その相続税・贈与税の納税の免除を受けることにあります。

「非上場株式等の贈与税の納税猶予制度」の場合、経営者が所有する株式を後継者が贈与により取得し、その事業を後継者が継続していくときは、その後継者が本来納付すべき贈与税は、その納税が一旦猶予されます。

そして、その後(10年、20年、30年……)において、一定の要件を維持しつつ、先代経営者が死亡した場合には、その納税の猶予を受けていた株式に係る贈与税は免除されることになります。

2.事業承継税制のデメリット

事業承継税制には、相続税や贈与税の納税猶予や免除を受けられるという大きなメリットがあります。しかし、その反面、一定の要件を満たすことができなくなった場合には、納税の猶予は打ち切られ、猶予税額の全部または一部を一括して納付することになり、さらに本税に加えて利子税も併せて納付しなければならないというデメリットがあります。

事業承継税制は、納税猶予を受け始めてから最終的に猶予税額の免除を受けるまで、一定の要件を長期にわたって堅持していかなければなりません。

事業承継税制の適用を受けるに際しては、そのメリットとデメリットを詳細に検討する必要があります。

つづきは本誌2019年8月号でご購読下さい。

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