グローバル化が加速する鉄道ビジネスと板金
新造車両からリニューアル工事まで幅広く事業を展開
LC-C1AJを導入してアルミ、ステンレス加工に対応
八祥産業 株式会社
①本社棟横に新設された3階建ての新工場の1階に設置されたファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ+AS-2512NTK+ULS-2512NTKとレーザマシンFO-MⅡ 2412NT+LST-2412FMⅡ/②ファイバーレーザ複合マシンでなければ加工が大変だったというロングシートのソデ部品
1967年に旧国鉄の指名業者に
原田龍太郎社長
八祥産業㈱は、1961年に西日本地域の鉄鋼・鉄道・造船業界向け産業用機械部品の販売を行う会社として創業、鉄道向けにレールに油を塗る投油器を主に販売していた。その関連で、すり合わせの技術を有していたことから、1967年に旧国鉄の指名業者となり、鉄道車両部品のメンテナンス(鉄道車両部品の分解・修理・組立・検査)の仕事を行うようになった。国鉄分割民営化後は車両整備にともなう改造・改良工事、部品製作まで事業を拡大した。部品製作では薄板 ― 特にステンレス・アルミなどの溶接技術と精密板金加工の技術を培ってきた。
最近は新幹線や特急車両、通勤電車などの新造車両部品の設計・製作の仕事を鉄道車両メーカーから受注、企画・設計から組立まで幅広く対応している。さらに、自社製品として改札用有人遮断器や発電機ユニット、運転台ユニットなどを製作している。
2013年10月から運行が始まったJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」の製作では、製品納入のほか、車両組立プロジェクトにも参加した。
LC-2512C1AJによる加工
アルミの車両部品の曲げ加工
「ななつ星in九州」製作にも参加
原田龍太郎社長は「当社はJR九州の小倉総合車両センター、JR西日本の下関総合車両所のグループ会社から鉄道車両の検査・改造・修理などの仕事を受注しています。そのため、現在はJR九州の小倉総合車両センター、JR西日本の博多総合車両所と下関総合車両所にある各車両基地に、それぞれ50人程度の社員が常駐して、車両整備や改良・改善工事、清掃を担当。本社工場の50名のうち約40名が新造車両や修理・改造にともなう部材加工に携わっています」。
「また、『ななつ星in九州』では、製品の製作と車両の組立にも参加。組立完了後に、お客さまが指摘した修正箇所の艤装部品の製作・修正を担当しています。『ななつ星in九州』のプロジェクトの作業者は全員『ななつ星』のロゴの入った作業服を着て作業に従事します。私が着る予定で、結局袖を通さなかった作業着は、今も大切に応接室のハンガーにかけてあります」と語りながら、作業着一式を見せてくれた。
隣接地の空き工場に開設した塗装工場
アルミ・ステンレス・普通鋼を使って加工された運転台ユニット
会社情報
- 会社名
- 八祥産業 株式会社
- 代表取締役
- 原田 龍太郎
- 住所
- 福岡県北九州市小倉北区西港町3-6
- 電話
- 093-571-1921
- 設立
- 1961年(1947年創業)
- 従業員数
- 200名(パート社員70名)
- 主要事業
- 鉄道車両部品、配電盤、配電箱、建築金物、アルミ・ステンレスなどの加工仕上げ、重電メーカー大型機器箱、生産設備、組立治具・助力装置
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