特集

IoTサポートでマシンを止めずに稼働率向上を実現

「IoTサポート」の活用による効果と今後の展開

お客さまのマシンとアマダをリモートでつなぐサポートシステム

株式会社 アマダ IoTサポート部 小林 稔之

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画像:「IoTサポート」の活用による効果と今後の展開IoTサポートセンター

稼働を支援するアマダ独自の「IoTサポート」

アマダのIoT「V-factory」を構成する2大機能―見える化を実現する「My V-factory」と稼働を支援する「IoTサポート」のうち、「IoTサポート」について紹介します。

「IoTサポート」はアマダマシンだけの特別なサポートです。ご導入いただいたマシンを直接サポートしてきた弊社のノウハウを生かし2018年4月にサービスを開始させていただきました。今では新規マシンご導入時にはほとんどのお客さまにご利用いただいているサービスです。お客さまのマシンとアマダがリモートでつながり、異常を検知するとアマダ側から能動的にアクションするため、「IoTサポートはこれからの短納期の時代に必要不可欠」「つながっていると安心感がちがう」とお客さまに喜んでいただいています。

開設当初の営業時間は8時30分~17時30分でしたが、お客さま利便性向上のため、2021年4月より7時~21時に拡大しています。この営業時間もIoTで取得したお客さまのマシンの稼働状況を分析のうえ、時間帯を決定しています。

この「IoTサポート」を活用することで、どのような効果が期待できるのか。開設当初より掲げた3つのコンセプトに沿ってご説明します。

【コンセプト1】
「安定稼働を支える安心サポート」

まず1つ目は「安定稼働を支える安心サポート」です。トラブルによりマシンが突然停止すると、生産に大きな影響が出てしまいます。マシンの復旧までには、生産計画の見直しや工程の組み替え、オペレータのシフト変更など、さまざまな調整が発生し、多くの工数が費やされます。さらに現場では、計画変更にともない金型交換などの多くの段取り換えも発生します。

ここで最も重要なことは納期遅れを出さないことです。納期の遅れは企業の信頼を大きく損なう原因となるため、可能な限り早期に機械を復旧することが求められます。「IoTサポート」では、マシンからリモートで取得したデータに基づき、お客さまへ予防保全をご提案します(図1)

具体的な事例をご紹介します。レーザ加工機を使用しているあるお客さまでは「最近、アラーム停止が増えてきたな」と感じ、さらには水配管フィルターの汚れが原因であることも把握しながら、アラーム停止のたびに丁寧にフィルターを清掃することでアラームを解除、稼働していました。ところが数カ月後、頻繁にフィルターの汚れが発生するようになり、ついには水配管が詰まり稼働させることができなくなりました。

原因は、浄化フィルターが寿命を越えていたためです。しかしこの時点で、お客さまは浄化フィルターが原因だとは気づきませんでした。サービスへ連絡し、詰まってしまった水配管の清掃作業、フィルターの手配と交換作業などを行いました。復旧におよそ2日間という思いがけない長期停止となり、大きな生産の遅延を招く結果となりました。

「IoTサポート」では、冷却水の状態をリモートで取得、自動分析し、浄化フィルターの劣化状態を検知することができます(図2)。そのため、マシンが停止する前に消耗部品の交換計画を事前に立てることが可能となります。今回のケースでは、マシンの予兆を事前に捉え、交換部品の特定、サービスの手配までをマシン停止前に行います。交換作業もお客さまのご都合に合わせて計画できますので、生産計画への影響を最小限におさえることが可能になります。

画像:「IoTサポート」の活用による効果と今後の展開(図1)お客さまへ予防保全を提案するマシン健康診断の画面

画像:「IoTサポート」の活用による効果と今後の展開(図2)冷却水低下監視画面

つづきは本誌2022年6月号でご購読下さい。

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