研究室訪問

自動車の軽量化や衝突安全性向上へ向け超高強度鋼部材の塑性加工を研究

豊橋技術科学大学機械工学系 極限成形システム研究室 教授 森 謙一郎 氏

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画像:自動車の軽量化や衝突安全性向上へ向け超高強度鋼部材の塑性加工を研究豊橋技術科学大学機械工学系・森謙一郎教授の研究室。森教授(前列左から4人目)はホットスタンピング研究の第一人者

自動車用骨格部材に用いる超高強度部材を生産する「ホットスタンピング」の適用が世界的に急増している。自動車の軽量化と衝突安全性向上のため、高強度部材が必要になっていることが要因だ。今回は日本国内において、ホットスタンピング研究の第一人者である、豊橋技術科学大学機械工学系・森謙一郎教授の研究室を訪ねた。森教授の研究テーマ「超高強度鋼部材の次世代スマートホットスタンピングの開発」は、公益財団法人天田財団が助成する「重点研究開発助成A(2015年度)」に採択されている。

「自動車の軽量化を目指した塑性加工」を研究

愛知県豊橋市にある豊橋技術科学大学は、高等専門学校卒業生を主な受け入れ対象としている工学系国立大学である。学生全体の80%が高専卒業生で、5年制の高専卒業生は入学時点で大学3年生扱いとなる。また、学生のほとんどが大学院に進学するため、研究室には大学院生の割合が高い。こうした環境は、研究室で行う実験研究の専門性を高める一因となっている。

塑性加工を40年間研究している森謙一郎教授が代表を務める「極限成形システム研究室」も、そうした研究室のひとつだ。

限成形システム研究室の主な研究内容は、自動車の軽量化を目指した塑性加工の研究・開発。高張力鋼板(ハイテン)、アルミ、マグネシウム、チタンといった軽量材料を扱い、ホットスタンピング、冷間プレス成形、せん断加工、絞り加工、塑性接合、3Dプリンティングなど、塑性加工の研究・開発を行っている。

究室は森教授のほか、安部洋平准教授と学生20名弱で構成されている。また、現在は横浜国立大学工学部に異動した前野智美(ともよし)准教授も研究に協力している。

画像:自動車の軽量化や衝突安全性向上へ向け超高強度鋼部材の塑性加工を研究左:油圧式万能試験機による引っ張り試験で強度評価を行う/右:通電加熱スマートホットスタンピングの加工実験。サーボプレスにセットされた金型と加工された部材

つづきは本誌2018年5月号でご購読下さい。

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