特集2

“Chance,Challenge,Change”を目指す台湾板金業界(その2)

新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応

板金総合メーカーを目指し、ファイバーレーザマシン3台稼働

中熒 股份有限公司

LINEで送る
Pocket

画像:新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応2015年末に完成した台湾・台中市にある中熒股份有限公司の新工場

創業18年で板金総合メーカーへ発展

画像:新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応董事長室で取材を受ける陳申甫董事長

台湾財政部の発表によると、2015年の台湾の貿易総額は前年比13.3%減の5,094億400万ドルだった。うち、輸出は10.6%減の2,804億8,100万ドル、輸入は16.5%減の2,289億2,300万ドルと、輸出入ともに2ケタ減となった。世界経済の低迷や中国経済の減速が大きく影響した。

中でも台湾の工作機械産業は、関連するメーカーが国内に500社以上もあり、中国、日本、ドイツ、韓国、イタリアに次ぐ世界第6位の生産高を誇っており、電子産業と同じく台湾を代表する産業として影響が大きい。日本円が台湾ドルに対して20%ほど下落したことは、日本製工作機械との競争で台湾メーカーの輸出に大きく影響している。そのため、工作機械メーカーの中には一時帰休を実施して大幅な減産に踏み切るところも出ている。こうした中で工作機械を構成する板金カバーを製作する板金業界も減産の影響を受け、生産が落ち込む傾向が顕著になっている。

ところが業況が厳しい中、ピンチこそチャンスと5階建ての新工場を竣工するとともに、最新のファイバーレーザマシンを3台導入するなど設備投資と、3次元CADによる設計提案を積極的に行うことで、生産の落ち込みを最小限に抑え、売上アップを目指しているのが、台湾工作機械産業の集積地、台中市にある中熒股份有限公司である。

画像:新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応2015年末に導入したファイバーレーザマシンFLC-3015AJ(4kW)が2台並ぶ

得意先90社中、工作機械メーカーが60社

同社の得意先は90社。そのうちの2/3、60社が工作機械メーカーである。しかもこのうち30社のメーカーから、計画購買で毎月300台以上の機械カバーをリピート受注している。また、最近は台湾にある世界最大の半導体専業ICファンドリーメーカー、TSMC向けに製造装置を製造するメーカーから製造装置のカバーを受注するなど、事業領域を広げている。

  • 画像:新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応3次元ソリッド板金CAD SheetWorksによる機械カバーの設計
  • 画像:新工場の本格稼働で設計・加工・組立にワンストップ対応地下1階・地上5階建ての新工場の壁面に設置された230棚を備える立体自動倉庫。工場内の物流を管理する

会社情報

会社名
中熒 股份有限公司
英社名
CHUNG INN
董事長
陳申甫
住所
台湾・台中市神岡区豊工南路1号
電話
+886-4-2522-9885
設立
1997年
従業員
100名
業種
工作機械、半導体製造装置の板金カバーの設計・製作

つづきは本誌2016年4月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集2記事一覧はこちらから