平板・パイプ・形鋼加工の融合による付加価値創出
「流通」×「製造」のシナジー創出 ― パイプ・形鋼加工の内製化で受注拡大
鋼材流通・加工・据付のワンストップ対応を強みに高付加価値化を推進
株式会社 岡本正太郎商店
「越谷工場」に導入した平板・パイプ兼用ファイバーレーザマシンENSIS-3015RIe(6kW)。平板加工の生産性向上と、パイプ・形鋼加工の内製化により、受注拡大に貢献
「製造機能を持つ鋼材商社」へ進化
左から岡本正彦専務、岡本秀寿社長、磯田康平工場長
㈱岡本正太郎商店は1948年の創業以来、関東圏でステンレス鋼を中心とした金属材料の流通を手がける専門商社。近年は材料販売にとどまらず、板金加工や溶接組立、現地据付までを一貫して手がける「製造機能を持つ鋼材商社」への進化を目指し、体制整備を急ピッチで進めている。
2024年には、「製造機能」を担う「越谷工場」の中核設備として、平板・パイプ兼用ファイバーレーザマシンENSIS-3015RIe(6kW)を導入した。これにより「越谷工場」のブランク工程は、パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT、パンチングマシンEM-2510NT、ENSIS-RIeの3台体制となった。
ENSIS-RIeは、パイプ・形鋼を高精度に加工できるロータリーインデックス装置(RI)を搭載し、平板とパイプ・形鋼の両方を1台で加工できるオールラウンドマシン。同社が採用した6kW仕様は、軟鋼・ステンレス・アルミの板厚25㎜まで切断可能。パイプ・形鋼の加工時は出力3kWで、φ19~220㎜の丸パイプ、19×19㎜から150×150㎜までの角パイプに対応する。
従来の平板加工に加え、パイプ・形鋼の切断・穴あけに対応できるようになったことで、受託加工の受け皿が広がった。それまで外部に委託していたパイプ・形鋼の加工を内製化したことで、主力製品である建築金物などの生産合理化と納期短縮を実現。「材料販売」の顧客からも加工依頼が舞い込むようになり、「流通機能」と「製造機能」のシナジーが成長の原動力となっている。
左:ENSIS-RIeで切断後、溶接を行ったステンレス製丸パイプの手すり/右:装置用の手すりやステップなどの部材一式。溶接組立・据付は顧客が行う
「流通機能」の拡張と「製造機能」の融合
同社は1948年、岡本正太郎氏が東京都墨田区で創業した。ステンレス鋼問屋として定尺材・特寸材の材料販売を展開し、戦後の高度経済成長とともに業容を拡大。とりわけ薄板ステンレス鋼の品ぞろえと顧客の個別要望に応じたミリ単位のカスタム対応に強みを持ち、業界内では「特寸の岡正(おかしょう)」として広く知られるようになった。
2000年代に入ってからは、短納期や2次加工までの対応を求める顧客ニーズを受け、流通ネットワークの拡張と事業モデルの再構築に乗り出した。
同社は1965年に「草加営業所」(埼玉県)を開設して以来、長年にわたり東京・埼玉の2拠点体制で事業を展開してきたが、2008年には「横浜営業センター」(神奈川県)、2010年には「野田営業センター」(千葉県)を新設。南関東・北関東の工場集積地へのアクセスを強化し、物流の合理化と新規顧客の開拓をはかった。
2010年代には、業績低迷や後継者難で事業継続が困難になった顧客の事業を譲受し、「製造機能」を獲得した。建築金物などの板金加工や現地据付を手がける企業を立て続けに取得し、2014年に「杉戸工場」、2016年に「川口工場」、2017年に「春日部工場」を順次開設。従来の「流通機能」(倉庫)に「製造機能」(工場)が加わったことで、材料仕入れから切断・抜き・曲げ・溶接・据付までワンストップで対応できる体制を整えた。
2020年以降は、拠点集約と設備更新により「製造機能」の増強に力を入れている。2020年には「越谷工場」を新設し、3カ所に分散していた工場の設備・人材を集約した。重複する機能を統合し、固定費を削減するとともに、拠点間の物流コストの低減、人員配置の合理化、生産設備のスリム化をはかった。
「越谷工場」を開設したことで、ブランク・曲げ・溶接組立の2次加工を1カ所で完結できるようになった。これにより同社は、専門商社としての「流通機能」と、2次加工・据付まで担う「製造機能」を併せ持つ「商工一体」の事業モデルを確立。「一次・二次加工付き材料販売」や「部材製作から現地据付までの一貫対応」を付加価値として提供することで、差別化と競争力強化を果たした。
左:パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(左奥)とパンチングマシンEM-2510NT(右手前)/右:2024年に導入した電動サーボベンディングマシンEGB-1303e
会社情報
- 会社名
- 株式会社 岡本正太郎商店
- 代表取締役社長
- 岡本 秀寿
- 本社
- 東京都墨田区吾妻橋1-13-11
- 営業拠点
- 草加営業所/横浜営業センター/野田営業センター
- 越谷工場
- 埼玉県越谷市大字小曽川380-1
- 電話
- 048-971-6911(越谷工場)
- 設立
- 1959年(1948年創業)
- 従業員数
- 80名
- 主要事業
- ステンレス鋼を中心とした鋼材全般の流通/装飾建築金物の設計・製作・施工
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