特集

ベンディング自動化ソリューション最新活用事例

多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍

空調機器向け小物部品に適用 ― ボトルネックを解消

有限会社 新興製作所

LINEで送る
Pocket

画像:多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍2026年1月に導入したベンディングロボットシステムEGB-6013ARce

日本人・外国人・自動化設備のベストミックスで労働生産性の最大化を追求

画像:多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍長沢茂樹社長(左)と水野勉工場長(右)

埼玉県飯能市の㈲新興製作所は2026年1月、電動サーボ小物ベンディング自動化システムEGB-6013ARceを導入した。更新ではなく増設で、これにより同社の曲げ工程はベンディングマシン6台体制となった。

同社は総勢14名のうち外国人材(インドネシア・中国・ベトナム)が半数を占める小規模・多国籍の体制を採っている。2代目経営者の長沢茂樹社長は、就任前の2011年頃から経営改革に取り組み始め、日本人・外国人・自動化設備のベストミックスを模索。スリム化と高効率化を追求し、労働生産性の最大化に挑戦してきた。

2020年以降は曲げ工程の自動化・スキルレス化に力を入れている。2022年には自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCを導入し、今回は同社初のベンディングロボットとしてEGB-ARceの導入に踏み切った。

EGB-ARceは、直感的に操作できる使いやすさと、省スペースでありながら多彩な曲げ加工に対応する機能性が特徴だ。同社は空調機器向けの小物部品をターゲットに自動化を進め、曲げ工程のボトルネック解消をはかった。初めてのベンディングロボットにもかかわらず立ち上げはスムーズで、わずか5カ月の間に約260品目もの加工データを作成。曲げ工程の生産性は2倍以上に向上した。

画像:多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍EGB-ARceで加工した空調機器部品。左・中央はSUS304・板厚1.0㎜、右は35×35㎜の小物部品(SPCC・板厚1.0㎜)

標準化と組織のスリム化を推進 ― 少数精鋭の高付加価値企業へとシフト

新興製作所は1984年、長沢社長の父である長沢康隆氏が設立した。創業当初から空調機器向け板金部品を中心に手がけ、高度な技術・技能を備えた職人集団として発展を遂げてきた。

現在地へ移転したのは2008年。主力顧客の事業再編にともなう増産要請に応じるかたちで、生産拠点を移転・拡張した。当時は従業員25名程度を抱え、外国人材の比率は30%以下。週休1日で毎日3~5時間の残業が当たり前という労働集約型の体制だった。

2010年代に入ってからは、入社後10年余の経験を積んだ長沢社長が抜本的な経営改革に乗り出した。

同社はそれまで、ベテラン社員の勘と経験に支えられた職人集団だった。顧客の信頼は厚かったものの、工程のフローチャートも生産予定表も存在せず、加工条件の数値的な根拠や作業標準もない状態だった。属人的な技術・技能の継承は難しく、残業や休出も漫然と膨れ上がっていた。

長沢社長は改革の手始めに技能実習生3名を受け入れ、曲げ・スポット・溶接の各工程に配置して、みずから教育を担当した。その過程で、職人の感覚に頼っていた加工条件や製作基準を見直し、ものづくりプロセスの根拠を明確にしながら標準化・数値化を進めた。図面や仕様書の指示が不十分な顧客には品質基準の明確化を求め、明確な指示を得られない場合はJIS規格をベースとした社内基準を適用した。ものづくりの基準を明確にしたことで経験の浅い現場作業者の迷いは消え、生産効率が高まるとともに、個々の成長速度も加速した。

長沢社長が育てたメンバーの成長にともない、同社のものづくりのありようも徐々に変容していった。長沢社長は、自分の目が行き届く適正規模として総人数15名をターゲットと定めた。欠員が出た際も「充員するか、少人数で付加価値を高めるか」を現場作業者に問いかけながら、スリムでコンパクトな組織へのシフトを進めた。また、指標として1人あたり月間売上高(パーヘッド)200万円を目標に据えた。

当初は手探りだったが、2年後には年間休日を増やし、残業時間を1/4以下へと大幅に削減したうえで、過去最高の売上高・利益率を達成した。具体的な成果が出たことで、「この方向性を引き続き追求すべきだという確信を得られた」と長沢社長は振り返る。

長沢社長が入社した2000年頃と比較すると、現在の総人員は減少しているにもかかわらず、売上高は約2倍へと増加している。

  • 画像:多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(4段パレットチェンジャー仕様)
  • 画像:多国籍の少数精鋭企業が自動化に本格着手 ― ベンディングロボット導入で生産性2倍2022年に導入した自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC。ベトナム人スタッフがプログラム作成から加工まで担当する

会社情報

会社名
有限会社 新興製作所
代表取締役
長沢 茂樹
所在地
埼玉県飯能市大字芦刈場356-2
電話
042-975-2232
設立
1984年
従業員数
14名(役員・外国人技能実習生を含む)
主要事業
空調機器部品・通信機器部品・医療機器部品などの精密板金加工・溶接・組立
URL
http://shinko-1984.co.jp/

つづきは本誌2026年9月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから