環境に優しい「グリーンシートメタル」で企業価値を進化させる
総勢5名で「中小企業版SBT認証」を取得
有限会社 岩城工業
パイプインデックス仕様のファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ(左)とタッピングマシンCTS-900NT(右)
小粒でもぴりりと辛い企業として
左から畔上光広社長、長男の畔上凌輔さん、次男の畔上晟さん
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」は、小さな山椒の実が強い辛味を持つことから、身体は小さくても才能や気性が鋭く、侮れない人のたとえなどに用いられる。そんな表現がピッタリなのが長野県中野市に本社を持つ㈲岩城工業だ。2003年、2007年と2度おうかがいした同社を19年ぶりに訪ねると、ますます「辛い」企業に成長していた。
当時から畔上光広社長以下10名以下の従業員で操業し、2次、3次のサプライヤーとして活躍していたが、現在は畔上社長の長男と次男が入社、溶接担当と曲げ担当として現場を任されている。ブランク工程の2名の従業員を加えても総勢5名という少数精鋭となっている。
ところがブランク工程にはファイバーレーザマシン、レーザマシン、パンチ・レーザ複合マシン、パンチングマシンの4台が稼働、曲げ工程には4台のベンディングマシン。溶接工程にはファイバーレーザ溶接機やスポット溶接機が並び、従業員数の3倍以上の設備が稼働する。
プログラム担当の畔上社長が作成した加工データをダウンロードして運用、しかも生産管理システムWILLの機能をフル活用して進捗・実績管理を行うことで納期を遵守するとともに、トレーサビリティーを維持した品質管理を徹底することで得意先からの信頼を得て、受注は順調。小さなチームで、大きな成果を出す「ザ・スモール・グレート・ファクトリー」となっている。従業員一人あたりの売上高も最近は月300万~400万円台で推移、業界平均を大きく上まわっている。
左:2026年に取得した「SBT 認証証明書」(左)と「グリーン電力供給証明書」(右)/右:ベンディングマシンHDS-8025NTを操作する次男の晟さん
2025年度で温室効果ガス排出量を54.6%削減
2020年に日本政府がカーボンニュートラル宣言を発信したことをきっかけに、同社でも温室効果ガスの排出量を削減する取り組みをスタート。当初より電力デマンド監視システムを導入し、工場屋根に30kW(順次増設)の太陽光発電パネルを設置。平日は自家消費型として工場内の電力に活用するとともに、休日分は売電する取り組みを2020年から始めた。
また、工場で賄う電気すべてを再生可能エネルギーを用いて発電された、CO2を排出しない「グリーン電力」に切り替えた(CO2年間削減量86トン)。電気料金は割高になるが、再生可能エネルギーによって発電された環境価値を取引できる「グリーン電力証明書」が発行され、温室効果ガス排出量の一部が実質的に相殺(オフセット)される。これによって「グリーン電力」の購入、自社消費型太陽光発電システムの開設によって、2025年度で温室効果ガス排出量の54.6%(ガス・燃料を除き実質99% )削減を達成する。
日本政府が掲げた2030年までの温室効果ガス削減目標(温室効果ガス46~50%削減)を上まわることができ、SDGsの「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「気候変動に具体的な対策を」にも合致することができた。
左:溶接を担当する長男の凌輔さん/右:同社で設計から受託した植物栽培プラント工場向けパレットラック。このプラント向けには3,000台製作、現在は海外向けを受注している
会社情報
- 会社名
- 有限会社 岩城工業
- 代表取締役社長
- 畔上 光広
- 所在地
- 長野県中野市安源寺830-2
- 電話
- 0269-23-5323
- 設立
- 2001年(1995年創業)
- 従業員数
- 5名
- 主要事業
- 工作機械カバーなどの板金加工、パイプ加工
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