ものづくり改革の“旗艦”導入で「クリーン機器」の一貫生産を進化
ブランク工程3台を1台に集約 ― リードタイム短縮で提供価値を最大化
株式会社 ニットー冷熱製作所
「ものづくりプロセス改革の“旗艦”」と位置づけるファイバーレーザ複合マシンEML-2515AJe-PDC(マニプレーター+TK仕様)と自動倉庫MARS-3015N(9段×6列)の自動化ライン
食品・製薬・医療・半導体など ― 有望産業へ向け「最適な空気環境」を提供
左から関口政雄生産本部長、製造部の田中隆史マネージャー、黒田明彦取締役
㈱ニットー冷熱製作所は、冷熱機器、精密空調機器、クリーン機器の開発・製造・販売・メンテナンスを主力事業とする完成品メーカー。「空調技術」をコアに、空気を清浄化する「クリーン技術」、温度・湿度を保つ「温湿技術」、空気を冷やす「冷凍技術」を融合し、「最適な空気環境」を実現するさまざまな製品を手がけている。
顧客の主な産業分野は、食品・製薬・医療・精密機器(半導体など)で、いずれも安定性・成長性に優れた有望産業。コロナ禍では感染リスクを低減する「セーフティパーティション」の受注が急増し、業績の落ち込みを補った。それ以降は4期連続で増収増益を達成。前期(2025年3月期)はコロナ前の水準を約20%上まわり、好調に推移している。
組立作業中の「エアシャワー」。同社の主力製品で、国内トップクラスのシェアをほこる
曲げ工程。自動金型交換装置(ATC)付きのベンディングマシンを導入予定
ものづくりプロセス改革の“旗艦”を導入
2024年には設立50周年をむかえ、100年企業へ向けた長期ビジョンのもと経営基盤の強化に取り組んでおり、ものづくりプロセスの抜本的な改善・改革にも乗り出した。
埼玉県飯能市にある本社・工場は、開発・設計から板金加工、塗装、組立、検査、出荷までの自社内一貫生産に対応する中核拠点。開発・製造・販売が一体となり、主力製品の「エアシャワー」をはじめとする物件対応の特注品に対して迅速・柔軟なものづくりを展開している。
2025年11月にはファイバーレーザ複合マシンEML-2515AJe-PDC(マニプレーター+TK仕様)を、自動倉庫MARS-3015N(9段6列)、窒素ガス発生装置PSA750HHとともに導入した。同社にとって初めての複合マシンで、MARSを設置するため工場建屋の一部を拡張した。導入後20年以上が経過した従来機3台(パンチングマシン2台、レーザマシン1台)との入れ替えで、ブランク工程をEML-AJe+MARSに集約した格好だ。
EML-AJeの導入に合わせて板金工場のレイアウトを見直し、整流化にも取り組んだ。従来はブランク加工マシン3台とバリ取り機、ベンディングマシン4台の間で材料・製品・作業者の動線が交錯していた。レイアウトの見直し後は、材料搬入口からブランク工程、工程間のバッファーエリア、バリ取り、曲げ工程、次工程への搬出口まで一筆書きで描けるシンプルな配置になった。
黒田明彦取締役は今回の設備投資の趣旨について、次のように語っている。
「EML-AJeは、単なる老朽化設備の更新ではなく、当社のものづくりプロセスを刷新し、収益向上に取り組むための“旗艦”と位置づけています。各部署へもその旨を通達し、営業本部には『従来の領域から拡張した受注獲得』を、技術本部には『新しいマシン・工程を前提にした設計の最適化』を、生産本部には『板金工程全体の最適化』を、それぞれ求めています」。
また、関口政雄生産本部長は「協力会社のみなさんにお願いしている仕事を内製化する考えはありません。あくまで自社で加工している範囲の生産性を高めつつ、新規事業の案件などにも対応していくことが目的です」としている。
溶接工程。物件対応の大型パネルも多い
塗装工程。「クリーン機器」の部品は自社内で板金加工から溶接・塗装まで対応する
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ニットー冷熱製作所
- 代表取締役社長
- 向田 勝
- 所在地
- 埼玉県飯能市双柳1264
- 電話
- 042-973-3141
- 設立
- 1974年
- 従業員数
- 146名
- 主要事業
- 冷熱機・精密空調機・クリーン関連機器の開発・設計・製造
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