鋼材加工業で導入が進む大板対応のファイバーレーザマシン
12kWの高出力発振器を搭載したENSIS-6225AJの国内1号機を導入
SS400、SM材、SN材で32㎜までの厚板加工を目指す
株式会社 誠和商会
広島県トップクラスの鋼材加工販売業者
㈱誠和商会は広島県内でもトップクラスの鋼材加工販売業者。建材製品・鋼構造物・鉄骨構造・階段用踏み板などの切断から曲げ、開先、穴あけ、ショットブラストまでの鋼板加工に対応している。
同社は1951年に先々代の西本義之氏が広島市で創業し、財務局や三菱重工業、中国電力などの不用材の取り扱いをしていた。造船関係の不用材として、大量の鋼板を持っていたところ、近くの鉄工所からその鋼板を寸法切りして販売してほしいといった要望があり、鋼板の切断加工販売が始まった。
1964年には法人化し、「誠心誠意」「お客さま満足」を目標に、得意先とともにあゆみ、ともに発展し、得意先に喜んでもらえる商品を提供することを目指してきた。建設業界では2005年に耐震偽装問題が表面化して以降は、規格材の需要が多くなった。そこで在庫商品はすべて規格材とし、SS400、溶接構造用鋼板(SM材)、建築構造用鋼板(SN材)などを在庫した。また、注文書1枚で得意先の希望にちかい姿で納品する体制も備えてきた。数年前には後継者難だった製缶工場をM&Aで取得し、可部工場として曲げ・溶接加工までをワンストップで対応できるようになった。
月間12万個以上の部材を加工・出荷
現在はベトナム人の技能実習生4名、特定技能外国人3名を含む従業員64名が在籍している。内訳は本社工場に30名、島根工場に27名、可部工場に7名となっている。
商圏は中国地方が中心で得意先は毎月250~300社。得意先には商社も含まれているため、同社が直接請求書を送付しているのはそのうちの約100社となる。
西本寛史社長は「島根工場の得意先の多くは建材・建築関連です。本社工場は産業機械・装置関係の仕事が多く、可部工場は製缶加工の仕事が増えています。本社工場は産業機械関連でリピート受注があり、島根工場は新規品の割合が高い。ロットは1~2個からで、物件対応の建築関連はロットがあっても穴位置や形状が異なる傾向があり、小ロット生産になります」。
「今年4月の実績で見ると、生産個数は12万個以上、約1,000トンで、1日あたり5,000~6,000個を加工し、出荷しています。材料はSS400、SM材、SN材が中心で、板厚は0.8~160㎜に対応しています。従来は25㎜までをレーザ加工、25~160㎜をガス切断加工していました」という。
業界に先駆け1995年にレーザマシンを導入
「1995年には鋼材業界ではいち早く出力2kWのCO2レーザマシンを導入しました。2004年には自走式の門形CO2レーザマシン(6kW)を本社工場・島根工場に導入、業界に先駆けて板厚25㎜までレーザ加工ができるようになりました。2014年にはFO-MⅡ 3015NT(4kW)を10段のパレットチェンジャー付きで導入。自走式の門形レーザマシンは大板・長尺材に対応できますが加工速度が遅く、納期対応に苦慮しました」。
「そこで、5´×10´材までのサイズに対応でき、10段の棚に材料を格納しておけば夜間に自動運転できるFO-MⅡとそのほかのレーザマシンを製品によって使い分けるようにしました。2016年に1号機の門形レーザマシンを更新し、門形レーザマシン(6kW)を本社工場に導入しました。2015年には島根工場に最大レール長さが36m、自動運転により大量生産・短納期対応を可能する自走式レーザマシン(4kW)を導入、CO2レーザマシン4台体制となりました」(西本社長)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 誠和商会
- 代表取締役
- 西本 寛史
- 本社
- 広島県広島市南区大州3-8-9
- 島根工場
- 島根県江津市渡津町961-31
- 電話
- 082-281-3201(本社)
0855-52-4700(島根工場)
- 設立
- 1964年(1951年創業)
- 従業員数
- 64名(島根工場27名)
- 主要事業
- 建材製品・鋼構造物・鉄骨構造・階段用踏み板など一般鉄鋼製品加工
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