3年を待たず2kWから9kWに入れ替え
「モノづくりのコンビニエンスストア」として超短納期・多品種少量生産に対応
株式会社 たつみ
「モノづくりのコンビニエンスストア」
㈱たつみは1970年に金型製作会社として創業。そののち、プレス加工を行うようになり、さらに板金加工へと主力事業をシフトしてきた。今では半世紀にわたって培ってきたノウハウを生かし、板金加工をはじめ、金型製作・プレス・切削・溶接までワンストップで対応できる生産体制を構築した。
今では「モノづくりのコンビニエンスストア」をコンセプトに掲げ、納期3日以内が80%以上で即日納品も多く、ロット1~2個が大半という「超短納期・多品種少量生産」に対応することで、得意先との強固な信頼関係を築いている。
2代目社長の堀川義雄氏は大手電設資材メーカーの板金工場に勤めたのち、2003年に26歳で家業の㈱たつみに入社した。2010年頃、旧工場が外環道(千葉区間)の用地買収の対象となったことから、堀川社長への事業承継を前提に現在地へ工場移転。併せて、前職での経験から板金加工に精通していた堀川社長の主導により、レーザマシンをはじめとする板金加工設備を導入し、プレス加工から板金加工へと業態を転換していった。
その後は、仕事量の増加と多様化するニーズに対応するため、工場を順次増設。現在、「本社工場」では単品を中心としたレーザ切断・曲げ加工・溶接・プレス・各種機械加工に対応し、「船橋第2工場」(2013年開設)は自動棚付きのレーザマシン×2台を設備したレーザ専門工場として比較的ロットが大きい製品のレーザ加工に対応する。さらに「船橋第3工場」は溶接専門工場として、溶接組立に対応している。
超短納期・多品種少量生産・難加工に対応
2011年に堀川社長が2代目社長に就任してから2019年までの8年間で、売上高・従業員数とも数倍に増えた。現在の得意先は200社弱。業種はさまざまで、建築、建設機械、産業機械など多岐にわたる。メーカーとの直接取引もあるが、板金加工・鋼材加工などの同業者からの受注も多い。
堀川社長は「納期が長い製品、ロットが大きい製品、切板や簡単な曲げ加工だけの製品はお客さまがみずから加工します。一方、当社はそれ以外の“やっかいな仕事” ― 超短納期、小ロット品、難加工材や加工内容がトリッキーな製品に特化しています。午後2時過ぎに電話が鳴って、その日のうちに届けてほしいというような仕事も珍しくありません」。
「当社はそういう使われ方でまったく構いません。“やっかいな仕事”の方が当社の技術力も上がりますし、同業者のみなさんとも競合せずにすみます。どんな時代でも必要としていただけるし、幅広く愛される。このスタイルを追求することが、当社がこれからも成長を続けていくためのカギだと考えています」と語っている。
現在取り扱っている材料は、黒皮・ボンデ・ZAM・酸洗・ガルバリウムなどを含む鉄系材料が70%、残り30%がステンレスやアルミなど。板厚は0.1~25㎜までと幅広い。主に建築向けとして、アングルなどの形鋼材料も多く使用する。
1日の受注件数は300~400件。平均ロットサイズは10個以下で大半は1~2個、リピート率は10%程度で、単品・新規品が中心となっている。
「ただ切断するだけの切板の仕事は減る傾向にあります。そのかわり、曲げ加工・機械加工・溶接といった2次加工まで必要な仕事が増えていて、当社としてもそうした仕事に対応することで付加価値を高めていきたいと考えています」(堀川社長)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 たつみ
- 代表取締役
- 堀川 義雄
- 本社工場
- 千葉県市川市田尻1-5-17
- 船橋第2工場
- 千葉県船橋市栄町2-10-9
- 船橋第3工場
- 千葉県船橋市栄町2-14-4
- 電話
- 047-378-1850(本社工場)
- 設立
- 1970年
- 従業員数
- 31名
- 事業内容
- レーザ加工、曲げ加工、プレス加工、機械加工など
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